読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

華氏911』がはじまったので、朝9:15から予告編なし一回のみの上映になってあわてて観に行く。時代劇映画が全盛で、もっと映画が気軽な娯楽だったときを思わせる、軽く観られる娯楽作。でも、時代劇の様式美が好きな人にはたぶん向きません。娯楽映画・人情映画が好きな方は、ぜひ。ちなみにわたしのうしろに座った女子3人は『釣りバカ日誌』の話題で盛り上がってました。

ちょっと効果・効果音や色が煩いかなあと思わないでもないが、それでウケている人もいるのでまあよし。それよりも、主役の設定とたたずまいがいちばんウルサい(笑)、のだけど、そのド派手な“バケモン”役を映画の地になじませてるのはさすが豊川悦司(でも名乗りを挙げているという「眠狂四郎」はやらないでほしいけど)。その相方役の和久井映見も、矢場の女主人というやくざな役柄・派手な着物に負けてない。

そんなさすがな主役カップルの顔、とくに泣きの演技のコミカルな巧さと演出で、泣かせたり笑わせたりまた泣かせたりの人情ジェットコースターにまんまと乗せられてからは結構一気にラストまで突っ走る。なんていうかね、泣かせ笑わせのリズムがズルいんだよ!

映画館のあちこちからあがる、くす、あは、という笑いや、ぐす、という音、ハンカチを取り出してるらしい秘やかな動きで、昔、祖母と上野の映画館で『ビルマの竪琴』を見たときのよう。あのときは、最初ばりばりおせんべい食べてたおばちゃんが、後半おせんべいは食べ続けながら泣いていて、食べるか泣くか、どっちかにしなよ! と他人ながら思ったものだが(苦笑)。