読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『好色一代男 [VHS]』


オーケストレーションで幕が開く西鶴! かっこいいぜ増村保造! 雷さまの世之介は、もうほとんど諸星あたる。どんな境涯でもひたすらアホとしかいいようのない徹底した女好き、あの外見ならモテて当たり前なのに、もはやアホを通り越してあっぱれな世之介を演じきった雷さまに惚れ惚れ。

ちなみに今日は若尾文子より中村玉緒のほうがかわいい役でした。すごい混んでてスクリーン前から二列めだったので、若尾文子が出てくる後半は疲れてたのか?

と、思ったんですが、あの褪めきった花魁姿の若尾文子が、あとから時折、思い出されてきます。自分を一箇の商品として冷静に把握していると同時に、それゆえに若さとともに美しさが失われる将来への不安から、現在に対してあの大きな目で虚無的になっているところは、安野モヨコの『さくらん (KCデラックス イブニング)』を読む思い。