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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

出入力実験台

仕事帰りに興味本位で実験台になってみた。実験台の条件はただひとつ、「英語が出来ない」とのこと。これを書くと、わたしの経歴を知っているひとは、「英語が全然できないと言うことはないでしょう〜」と思うかもしれない。しかし、先日のスーパーマーケットでの白人老女との会話でも、定型文さえ出てこないし、試験や発表が終わるやいなや、自分でも不思議なことに、ほんとに綺麗さっぱり英語が使えなくなるのだ。なにせ院試の面接でも「英語の試験答案の出来についてどう思うか」と質問されるくらいだったのだ。なので、こういうのは「英語ができない」と言ってもいい部類だろう。

で、こういう人間が実験台となった側としての記録、というのも読んでみたい、との実験者側の希望もあり、わたしも出来事記録癖から書き起こしてみた。

さて実験。これは3つあって、一つ目は後ろに暗幕がついた小部屋のある部屋で行われた。ヘッドフォンから流れてくるよく似た二種の音を聞き分けていくという実験を二つ。便宜的に実験1aと1bとしよう。1a、1bとも二種の音を取り混ぜて二回、次は二種の音が取り混ぜて四回流れる。二回流れるのは正答率が高いのだが、四回流れるのは量が多い気もするし、速度も速い気もし、だんだん音でもぐら叩きゲームとかクレペリン検査をやっている気分になってくる。わりかし違いのわかりやすい二種の音での実験1aの次、違いがほとんどわからない気のする二種の音での実験1bでは、四回流れるバージョンでの正答率はきわめて悪い。

次の実験2と3は、別の部屋にて。こちらは文字面と耳からの二種の音を、日本語にある単語とそうではないものに分類していくもの。
実験2では、次々モニタに映し出され、あるいはヘッドフォンから流れてくるカタカナの音のうち、自分が知らない音の並びだからといって、ほんとにこれは日本語にないものなのだろうか、どこかの業界で特殊ながら日常的に使われている単語だということはありはしないか、と不安になりつつ答えを出していく。気分としては、知能検査の立体の展開図を選択する問題をやっている感じ。

実験3では、実験2と同じ装置を使い、提示されていくカタカナの音を復唱していく。ヘッドフォンから音が流れる直前、画面にその単語が一瞬、投影されている。
実験が終わっての説明で、サブリミナル効果として、必ずしも流れる音と同じとは限らない文字が投影されていることもある、と説明を受ける。また、モニタに文字が投影される直前に、よくにた文字の並びが、やはりサブリミナル効果で投影されている部分もあるとのこと。それにより、外部入力された文字や音が、実験台からアウトプットされるまでの時間に影響を及ぼすかどうか、導入されている措置なのだとか。うーん、ぜんぜんわからなかった。あ、わかったらサブリミナルじゃないか。

実験終わって、まだ店舗数の少ないナチュラルローソンの、しかもイエロータイプという珍しいものの中で、駅まで歩くまでの暖を取るため飲み物などを買い、小振りな地下鉄のなかで、さてこういう実験をすると、脳神経はどのようなタイプの「疲れ」を覚えるのであろうか、などと考えつつ帰宅。