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『沈黙を破る』@ポレポレ東中野

沈黙を破る―元イスラエル軍将兵が語る“占領”

沈黙を破る―元イスラエル軍将兵が語る“占領”


映画は、まるで兵士のフラッシュバックのように時系列が交差するところがわかりにくく混乱させられた。2000年、2002年、2001年、2000年、2004 年、というような具合。時系列を場所ごとに(例えばパレスチナ人居住区A:2000年、2001年、2002年、パレスチナ人居住区B:2002年、 2004年、のように)並べているのか? とも思ったが、そのような部分もあり、そうでない部分もあるような…。何度か見ないとわからないのかもしれないが、2時間という長さを感じさせない、まったく気の抜けないこの作品を、そう何度も見られる耐久力のある強靭な精神力を持つ観客がどれだけいるだろうか。


とはいえ、この作品は時代を超えて見られるべきものだと思う。それが「仕事」とはいえ、人間の領域をはみ出した行動を行った人間が自らそれを告発する、そしてできる状況はあり得るのだ、という確認のために。


さて、この日は朝の上映後に出演者でもある「沈黙を破る」グループ発起人のイスラエル軍元将校・ハユット氏のトークショーがあるというので行ったのだが、映画館内の全員の前ではトークショーというより「沈黙を破る」グループ発起人の一人としてのあいさつのみで、その後ロビーで交流を、とのことだったがロビーはそんなに広くない、というかむしろはっきりと狭いので、どんどん館内から出てくる人の間でロビーに居続けるというのはむずかしく、出てきてしまった。1階にカフェを持っているのだから、そこに場所を移すようにすればいいのに…


ちなみに監督は館内でもロビーでも、喋ったり質問を受けているハユット氏を撮り続けていた。ハユット氏が普通に快活な態度で「来てくれてありがとう」と言っているのに対し、監督は暗い感じだったのが気になった。今日はハユット氏のトークショーがあるという告知のせいもあったのか、館内は満席で補助席も出ていたくらいで、それで監督として不愉快になるとは考えられないと思うと、あれが彼の地顔なのだろうか? しかし、パンフレットに載っている写真ではもう少し明るい顔をしているので、気になった。