読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

Nowhereman Exhibition 2013 TOKYO「Poetry And Pastry」@原宿ROCKET

やまない雨のなか、阿佐ヶ谷から原宿へ。ギャラリーを見つけられず周囲を三周ほどしながら、ツイッター情報で知ってからどうしても行きたかった、ふだんは京都で活動されているNowheremanさんの「詩と洋菓子」の展示へ。欲しかった、食べたかった二つが残ってたので、雨でも来てよかった…!

写真は『後悔なんて後ですればいい』。このレモンと生姜のバターサンド、予想より大きくて、濃いレモン味のバタークリームが、生姜の甘煮を抱き込んでみっちり詰まっています。この大きさと美味しさのせいで、上品にいただくことが極めて難しい…。

でも、食べ始めると、格好をかまう余裕なく、最後まで食べてしまいます。レモン味は濃いのに、あるいはそのせいでか、クリームのくどさや重たさは感じられず、口に入ってから喉までするする溶けてしまい、次の一口へと歯と舌が急ぐというか。

今回のテーマは「悲しみに寄り添うお菓子」とのことですが、定番商品らしきこちらは悲しみがあったとしても、お菓子好きなら食べている間と、食後の余韻の間はそれを忘れてしまいそう。

特に悲しみのないわたしは、なかなか現世に戻って来られそうになく、雨のなか、原宿から渋谷まで歩き、さらにまた来ていなかったマメヒコの公園通り店で黒豆珈琲を飲んで、すこしカームダウンして帰途に。

でも、なぜかふいにどきどきしたり、濃いレモンと生姜、サブレのバターとバニラの香りが蘇って来たりして、完全に現実世界に戻れたかというと、かなり疑わしい感じです。

買って帰った、『「君は一人じゃないよ」なんて言わない』という、チョコレートと4つの果実の赤ワイン煮のパウンドケーキをいただくのが、楽しみなような、こわいような…。