『シュヴァルの理想宮』@恵比寿ガーデンシネマ
映画『シュヴァルの理想宮 シュヴァルの理想宮』本編映像~理想宮作り~
奇人変人を見に行ったはずなのに、世の生きにくさと死による救いに泣かされて帰ってきました。おかしいな……。
クリスマスに見ようと思っていたわけではないのですが、ちょっとしたことで子どもが早死にしてしまう時代のキリスト教の救いについて、考えさせられる映画でもありました。
それはさておき、演技(壮年から死の迫ったおじいちゃんまでが真に迫っていてもの凄い)や衣装(あそこまでクラシックな衣装の神父は昨今、庶民の葬儀くらいじゃ見られません)、メイク(演技と同じく。特にシュヴァル役はほんとに全部、同じ俳優かと疑うほど)、照明と撮影(ランプや暖炉の灯りの瞳への映り込みの雄弁さ!)、そしてドローン大活躍の宮殿など、とにかく細部まで徹底的に、しかしあざとくはなく作り込まれています。そうでもしないとシュヴァルとその理想宮を描けないという執念を感じるほどに。
で、見終わって一年で一番混み合う恵比寿ガーデンプレイスの人波から逃れ、「そういえば劇場予告で知ったから、映画の公式サイト見てなかったな」と検索したところ、本物のシュヴァルの理想宮が出ました。
うん、今これからは見学に行かないから……。
なお映画館から理想宮近傍のリヨン空港まで最短で14時間半ほど、その後自転車で4時間くらいって感じですね。自転車にしたのはこの辺、電車が通ってないので。
なお徒歩だと個人が歩くには地理的に大変ヤバい地域を突っ切って107日。西遊記?
交通の便が悪いフランスのこの手のビザールな観光地といえば、マルキ・ド・サドの所領のラコスト城は国立公園内なので電車が通っておらず、タクシーチャーターして25年前で8万円くらいかかりましたが、シュヴァルの理想宮の立地も国立公園内とかなのかしら?