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地獄の一季節

チョコレート好きにとってのそれはバレンタインデー。「え? いろんな製品が出てむしろ天国でしょ?」と、言うなかれ。胃袋の容量は限られているし、予算はもっと限られていたりするこの時期、各ショコラティエがこぞって「バレンタイン限定」もの(ケーキとかトリュフとかだと賞味期限があるし、冷凍保存できたとしても、ものによってはうまく解凍できる自信もないし)を出してくるのを、すべて食べ尽くすことができない、しかも来年にはその製品はなく、さらに新たな別の「限定もの」たちを前に悩むであろう、それが辛いのです。


しかもバレンタイン用チョコレートというものは、いちおうこの日本では、わたしが世界で一番好きな食べ物、チョコレートを男子に贈る日ということになっている。なんという犠牲的精神! クリスマスのあの賢者の贈り物どころではありません。相手の欲しいだろうものを贈るのではなく、自分のもっとも欲するところのものを贈らなければならないのですから。


さいきんはこの「世界でなによりチョコレートが好き!」なわたしを理解する家族が先手を打ってなにかしらバレンタイン用チョコを買ってくれるので、わたしが家族宛てに買ったものも含め分け合って食べていますが、これは「好きなものを相手に贈ったら半分返ってきた」だけであり、「限定ものをすべて識ることはできない」ということには変わりはないわけです。もはやこれは、「読みたい本を生きている間にすべて読むことは不可能」というのと同じ悩みなのではないか、とさえ思えてきた今日このごろ。


ちなみに今年のわたしから家族へのバレンタインのチョコレートは、マメヒコで売られていたミニサイズの生姜ショコラパウンド*1でした。とても美味しかったので、今度はとなりに置いてあった白豆醤油パウンドを買ってみようと思います。