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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

オールスター・バレエ・ガラAプロ@東京文化会館

初っ端のロパートキナから超人ばかり。夫の人の言う「フルコースじゃなくて、メインの肉肉肉魚肉の世界」に納得の濃さ。ほかには、ザハロワとエイマンの「チャイコフスキー・パ・ド・ドウ」、アナニアシヴィリとゴメスの「ジゼル」と、アナニアシヴィリの「瀕死の白鳥」、フェリのジュリエットが特に心に残りました。

特にゴメスのジゼルのアルブレヒトが! ジゼルより足音がしないって、どういうことでしょう? いや、理屈としては男子の方がクッションになる筋肉量が多いから、というのはわかるんだけど、顔に衣装の紺色が映ってるせいか、「わー、この人もうすでにウィリに沼に落とされて死んでるんじゃ」「そうでなくともじきに後追い自殺しそう」という浮遊っぷり。対するアナニアシヴィリも、まるで煙とか霧が空気中を移動するかのようなジゼルなので、この世のものじゃない感が半端なかったです。

アナニアシヴィリの「瀕死の白鳥」は、最期、力尽きる白鳥、ふっと舞台の床に腕と、そして手が落ち、同時に二階席まで聞こえた、こつん、という音。その、こつん、を陳腐にさせない、本当に鳥ならそんな音はしないはず、とかそういうツッコミを跳ね除ける、そこに至るまでの一連の踊り。

ラストのその、こつん、からすぐの暗転と同時に涙が滲む。夫の人はロパートキナのそれは白鳥にしか見えず、アナニアシヴィリのはダンサーに見える、と言うのですが。今夏見逃してしまったがザハロワのそれも生で見たいなあ。この演目は、踊り手の舞踊言語の違いが本当に際立ちますね。

なのにまたしても生演奏がぱっとしない……。休憩後からの第2部の演奏の方が粗が目立つのは、みなさんスタミナ不足?

特にひどいのが、ロミオとジュリエットの寝室のパ・ド・ドウ。せっかくフェリが暴走する恋心を踊っているのに、あんな演奏でかわいそう……。

第2部最初のピアノとヴァイオリンも、弾き始めがどうも硬い。ピアノは左利きのひとが弾いてるのかと疑うほど、高音になるほどに確信なさげなタッチだし、ヴァイオリンも余裕なさげ。瀕死の白鳥はそれで心配してたけど、これは弾けてる。全体的にムラがありすぎる劇伴でした。終演後、その憂さは食で晴らしましたが。


楽しみすぎて、開店五分前についてしまった……。食いしん坊にもほどがある


パセリとハムのテリーヌ、とうもろこしのフランにコンソメのジュレと鯵トッピング


メインは黒豚のソーセージ、ベーコン、ポトフ


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マンゴーとパイナップルのタルトを「マンゴーとバカップルのタルト」と空目……


あ、メインの前にスチームした豚舌のりんごソースも食べたのだった