かたいプリン
かたいプリンが好きだ。日本でプリンといえば、それはおおむねカスタード・プディングなわけだが、わたしはきちんと蒸されたかたいプリンが好きなのだ。やわらか系の、中途半端に加熱したアングレーズソースのようなプリンをプリンとは呼びたくない。
しかし、気づけば世間に流通するのはやわらか系のプリンが多く、たまご感を打ち出した売り文句のついたプリンを買っては騙された……、となることが多い。プリンにおいて「固める」作用を担っているのは実のところ白身なのだが、「たまご感」といえばそれはプリンの場合「たまごの黄身」を指しているので、たまご感を打ち出しているプリンがやわらか系である確率はとても高いのだ。
先日、愛読しているHagexさんのブログで、いろんな意味でかたいと思われるプリンの情報を得た。「卵黄2倍」といううたい文句がちょっと気にはなったが、実食した感触として「固い」とあるので勇気を出して買ってみた。
たしかにかたい! これはかたいプリンだ! 見よ! この掬いとったプリンの切り立ったエッジを!
が、 使ってある洋酒か香料があまり好みじゃなかったのである。ざんねん。わたしにとってかたいプリンの原イメージといえば、モロゾフのシンプルタイプか紀ノ国屋のそれで、かなりの年月それらを食べ続けてきた。それらは香料としてはバニラビーンズ系のものしか使っていないので、それ以外の香りがプリンから漂ってくると、違和感を覚えてしまうのかもしれない。
しかしモロゾフや紀ノ国屋のプリンはいつでも購入可能というわけにはいかない。となると、あとは自宅で作るマグカッププリンを極めるしか、かたいプリンを時間を問わずに入手する方法はないのかも。