夢の家のなか
寝起きが悪すぎて四度寝くらいしている間に夢を見た。
『凪のお暇』に出てくるような、昭和な、玄関ドアが安っちいベニヤ合板の下宿的アパートでのご近所付き合い。アパートへの帰り道に大きくはないけど公園があって、夜なんだけど新型コロナに配慮した鬼ごっこかなにかをしてる人たちがいる。一人は白詰草の花冠を頭に着けて。しかし気温は白詰草が枯れるほど暑い。
と、ここだけ見るとほのぼのとしたいい夢みたいだけど、夫の人が待ってる自宅に帰ろうとすると、諸星あたるみたいな友人がまとわりついてきて、「ジュースおごって〜」と言う。暑さに加えて湿気もあり、かなりウザい。だが前述の公園にもアパート前にも自動販売機がなく、諸星が勝手にこちらの鞄を探るがそこにもなし。そもそもリアルでもジュースを買って飲むことがほぼないのだが、夢の中でも同じらしい。
そのうち自宅に着くと、諸星、勝手に玄関を開けるが、夫の人とも旧知の設定で、「片付いてないから入ってこないで💢」と怒られている。
そこにラダック人のご近所さんが通りかかり、「うちでお茶でも」と言ってくださり上がり込むが、なぜかそのうちは同じ安っちいベニヤ合板のドアの下宿の一つなのに、内部が田舎の日本家屋みたいに広い。
お茶の前に貸してもらったトイレのドアはバリアフリー仕様なのか、スライドする扉が三枚で、鍵の掛け方に戸惑う。そして手を洗ったあとに使うタオルハンカチを洗面台の乾いているところに置こうとするが、濡れている洗面ボウルに落としてしまう。
洗面ボウルにはお茶でうがいをしたようなしぶきがついていて、「このタオルハンカチもう使えない」と思うが、見るとふかふかのハンドタオルが吊るしてあった。そこで目が覚めた。
そして、夢の内容をこうして書き出していたら完全に目が覚めて起きられた。それから通勤中の電車内で揺れに抗いつつ、最後の謎の日本家屋の間取りを描き起こす。
外からの見た目と中が違うのは『見るなの座敷』のようでもある。ひとけのなさもそれっぽい。あるいは動物たちの去ったあとの『もりのなか』。というのも、家に上がらせてもらう瞬間から借りることになったトイレに入るまで記憶がワープしていて、他者を見ていない。トイレの鍵の掛け方にわたわたしてる時は、縁側を誰か通っていく気配はしたのだが、家に入ってから誰かの姿を見ていないのだ。
ただ、縁側から見る中庭、その向こうの縁側奥にまた廊下の続く暗がりも、台所から漏れるオレンジ色の灯りも魅力的だった。目が覚めずに探索に行っていたら、帰ってこられなくなったろうか。そんなことを考えながら、友人に間取り図を見せつつ話を振る。
Mmc:そういえば今朝の夢で、こんなお宅でバリアフリートイレを借りました。もし目が覚めずそのまま探索してたらあの世に行ってたかも、という魅力的なお宅。
友人:この世を離れても探索したいおうちですね…
私達はヨモツヘグイに弱そうなので、よくよく気をつけておこうと思います。
Mmc:そうですね、わたしもここの台所におよばれしていたら、まずいことになっていたと思います。
なお、友人とわたしはパフェやカフェ、お菓子などの情報を交換し合う仲。なので、夢のように美しく美味しそうなパフェ・ド・ヨモツヘグイなどを示されたら、ほいほい一線を越えてしまう自信はある(きっぱり)。