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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

メモ

古典というと、わたしにとってはまずはギリシャ・ローマ戦記あたりで、近代以前の作品というカテゴリでしたので、プルーストが出てきたのは新鮮でした。

そのあたりからの小説における近代的自我を持つ人間の描写ということでは、描写方法こそ他のテキストの需要と変形にすぎないかもしれませんが、描写される個々人の感情はむしろ、作家それぞれの時代を反映して当時に固有の価値観がとどめられているということはありそうですね。

ちなみにわたしは古典の戦記などの独自の価値は信じていません。ローマ戦記はともかく、ギリシャ戦記の無茶な誇張や、十字軍ものの当時でさえも眉唾で読まれていた誇張のせいです。

前者は部族紛争なみの規模だったことが全く読み取れないような「トロイ戦争」の記述、後者は、スペインに援軍しに行ったフランス人が引き上げて来る時に、追いかけてきたムスリムに襲われ、と書いてあるのが、実は単にバスクの山賊に襲撃くらっただけでした、とかそんなやつです。