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カレーにくびったけ

というわけで今日のばんごはん。しかしデートのたびにインド料理店に足を運んでしまう我々は、前世がそっち系の人種だったんじゃないだろうか。激辛が苦手なわたしはともかく、激辛も大好きな連れなんかは特にそうじゃないかと思う。

で、今日はひさびさに向かった銀座のインド料理店。お店は地下で、同じビルの一階は、ヴァンテーヌとかヴァンサンカンなテイストのお洋服屋さんながら、トプカピという名なのも偶然かどうかいつも考える。考えながら、インド版チーズフォカッチャみたいなメニューを頼むことを忘れないようにする。

このお店のチーズクルチャ、モッツァレラをもう少し濃くしたような、つまりは西洋風なチーズが切れ目からみよーんと長く伸び、それと同時に生地にしのばせてあるのか、スパイスの香ばしい香りが立ち昇り、食べ終わるまでやまない。ここに来たらこれを頼まないことはないというくらい、お気に入りの一皿。これとマンゴーラッシーを食べながら、ほうれん草とチーズのサグパニールと、バターチキンカレーを待つ。

ほどなくして出てきたカレーたちは、バターチキンは、「ああ、ちびくろさんぼの『バター』ってこれだよなあ」と勝手に納得してしまう甘味を、ほとんど生の千切り生姜が引き締め、サグパニールはほうれん草がなかば溶けかけ、なかば葉のかたちを残し、その甘味がトマトの酸味とチーズのコクとからまりあい、とうもろこしのナンと、香り米と合わさることで、テーブル上を無言の戦地と為さしめた。ふたりで会話もまばらにカレーと対決する。

どうにか引き分けに持ち込んで、あったかいマサラチャイで気を落ち着けて帰宅。と思ったけど、地下鉄の駅ナンバリングが不細工で、やや滅入る。今後、東京メトロという社名とあのロゴのセンスで地下交通が汚染されていくのかと思うと、「E電」とかいう過去の亡霊を思い出す。