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ジャム瓶の適度な大きさ

かつて、外資ブランドのジャムについてちょっと考える機会があったときにまず思ったのは、日本人にとって、お歳暮なんかで紅茶とセットで贈られるフォションハロッズのジャムの瓶は巨きすぎるんじゃないか、ということだった。

いっとき流行ったミルクジャムなんて、フォションの大瓶で四分の一を消化するころまでには、すでにしてその姿を鉄の処女のごとく幻視しそうなありさまだった。甘いものが好きなわたしに、味にして極上な相手でこうなので、あの大瓶を消化し切る時期を、日常的に明確にイメージできる人種という者が、あらためて“異人”に思えた。

だから、ジャム売り場でことさら小さく見える瓶のひしめくアオハタのコーナーを見ると、ホッとする。ちょっとおもしろい味がちょこちょこ出るのもあり、小さい瓶をときおり買うのだが、味に飽きが来ないうちに、瓶はカラになる。そんな適度な大きさ、のアオハタのファンなのである。