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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『タナカヒロシのすべて』

鳥肌実があの芸風から離れて、ちょっと変人だけどフツーの人をどう演じるか? という興味で見てきました*1。『けものがれ、俺らの猿と [DVD]』での役柄は、思いっきり舞台の彼を髣髴とさせるものだったし。
大川豊とか鳥肌実系列の顔が好き*2なわたしには、画面いっぱいに、タナカヒロシが出てくるだけで、もうにっこり。その意味で、鳥肌実ファンにはたまらない映画でしょう。
映画そのものは、脇の配役まで手を抜いてない、ものすごく丁寧なつくり。その実直な出来上がりが、ストーリーと相俟って、愛すべき佳品になっています。たぶん、この映画はニートへの応援歌でもあると思うのだけど、上映館が少ないので、そうした対象に届き難そうなのが、残念。
ちなみにこの映画が初の監督作となる田中誠は、次作の『雨の町』で、映画音楽を菊地成孔に依頼しています。このテンション低めで、現実社会の居心地悪〜い空気が時折生々しく流れる描写方法が彼の持ち味なのだとしたらと思うと、俄然、『雨の町』本体に興味が湧いてきました。

*1:公式サイト>http://www.tanakahiroshi.net/

*2:ちなみにわたしにとっては及川光博も同カテゴリで、大好きです。