『立喰師列伝』

ウソ戦後史を、いかにも、いかさまに、時折、うそっぽいほんものを織り交ぜて、ほんとらしくしつらえた、監督久々のギャグ映画！

なんだが、えーと、監督の実写映画は寝なかったことのない私。今回も、寝てしまいました。だって薄暗い画面に延々続くモノローグ！

でもねえ、その眠気と戦って見るから余計に、作り上げられたウソ戦後史と、ホンモノ（と、教えられてきた）戦後史が脳内でせめぎあって、いい感じなんだなあ。ウソ「パン屋再襲撃」、ウソみたいなホント「吉本隆明」、ウソ「学生紛争＆連合赤軍」、ウソっていうかまがい「吉野家」、ウソみたいな太っ腹「ロッテリア」etc，etc...

監督の実写を素材にした映画で、「紅い眼鏡」以来かもなあ、「映画館で見るんじゃなかった…」って思わなかったのは。ただ、監督ファンじゃない人にはあんまりおすすめできないのが、残念。

あ、問題の視覚効果・実写映像を利用した割り箸人形アニメは、かなりおもしろかった、ということを忘れずに書いておきましょう。「（アヴァロン＋イノセンス）×ミニパト」だったなあ。それを考えるとやっぱり、監督は過去の作品の成果を余さず新作に投入してきたんだなあ、と思う。