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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

いつも見ていた夢

タミフルによる異常行動ニュースを連日、目にしていたら、幼少のころ、病気がちでよく高熱を出しては寝込んでいたころのことを思い出した。正確には、そのころよく見ていた夢を思い出した。

高熱を発して横になっていると、掛け布団敷布団ともが、いきなり硬くて重いコンクリ製のような質感になってわたしを挟み込み、圧迫しはじめる。体中が軋んでくる。

恐らくこの時点で、自分ではまだ起きていると思っていても、もはや半覚醒状態だと思われるのだが、このコンクリ布団責めから空白の時間を挟み、わたしは一転して夢のなかにいる。

あまりにも舞台が非現実的なので、子どものわたしも「これは、夢だな」と察しがつく。その舞台とは、ギリシャ神殿のエンタシスが回転しながら二列に隙間なく並んでいるというもの。柱の向こうはいきなり宇宙だ。今思うとまるで横尾忠則のポスターかなにかのようだ。

わたしはその並んだ円柱のあいだに吸い込まれ、回転し続けている列柱に砕かれる。コンクリ布団が動いて襲ってくるようなもので、環境はさきほどとあまり変わらない。そして、体中が痛い上、なにやら息苦しい、永遠に続くかと思われた列柱の責めが終わると、わたしはさきほど見えていた宇宙空間に放り出され、ようやく体中をすりつぶされる息苦しさからも開放されて浮いている。宇宙空間ならば浮くのはともかくとして、息ができることはありえないのだが、それは夢の世界。

そして、宇宙空間にはなぜか、バーバヤーガの家が建っている浮島がぽっかり浮いている。なんとかその家の敷地であるところの浮島に上陸しようとするのだが、犬掻きをすれどもまったく近づかない。

するうちに、いつのまにか目覚めている、というのが、高熱の際の夢のおきまりのパターンであった。

もしかして、バーバヤーガの家に飛び移ろうとしていたら、二段ベッドの上から飛び降りたりなどしていたのであろうか。それとも、バーバヤーガの家の敷地に上陸した途端、あちらの世界に第一歩を踏み出していたのであろうか。