『乳房とサルトル 関係者以外立ち読み禁止』
先日、腸炎にかかってしまっての嘔吐生活中に、この本の『嘔吐』で有名なサルトルの項を読んでいて、自分が長年サルトルに感じていたキモさの理由がわかった気になれてちょっとすっきり。
ほかにも伝説的な噂がどう作られるかについての追跡調査や、ボルドーとブルゴーニュではワインのラベル表記がなんであんなに違うのかなどなどが語られます。その語り口における比較とか並置に、著者の奥行きの深さを垣間見るとともに、参考として挙げられる本がまた面白そうで困ってしまうくらい!
傭兵経済についての項でたびたび引用される『戦争の世界史−−技術と軍隊と社会』なんて、とくに魅力的。いろいろな人にいろいろなところから、新しい世界を垣間見させてくれるだろうお得な本です。