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『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』

全俺、ガン泣き。もともとグレース・ケリー毒親持ち、特に父親の方がひどいということは知られてたけど、そのあたりの話をここに絡めてきますかってとこで泣いた。毒親がリアルな人にとっては、ACがそこから離れて自分の居場所を開拓する話として心に迫るものがあると思う。

ちなみに某メルマガで「恋のためにすべてを捨てた、グレース・ケリーの生き方」ってコピーを見かけましたが、むしろ逆だよね、とは映画を見る前から思っていた。大人気女優になっても、えこひいきしてた自分の姉を引き合いに出す(取材側は「今その人の話、聞いてねーし」って思ってただろうね)父に褒めてもらうには、もう王妃になるしかなかったんじゃないかな。

楽しい話題としては、グレース・ケリーの有名なカルティエ・ジュエリーがカルティエによる復刻で映画に使われていること。マリア・カラスの舞台用ジュエリーも素晴らしい。

あと、カリオストロの城はほんと、ここがモデルだよなあとニヤニヤ。ロリコン伯爵のモデルも実在のレーニエ大公にけっこう負うところがあるのでは、とずっと思ってる。そういう意味ではモナコ王室は今回の映画がフィクションなのに伝記映画のように作られていると非難するより、こっちを考えたほうがよさそうな。

そしてクライマックスのあれは、明らかに聖書の、婚姻の秘蹟のときによく読まれる箇所の翻案ですよね。だからこそ本題の前に「結婚されている方はよくおわかりと思いますが」とエクスキューズが入るんだろうな。

ところでわたしは、グレース・ケリーの特徴と魅力って、大人顔に、あのやや垂れ目の子どものような目だと思うので、実のところ最後までニコール・キッドマンの吊り目に違和感が……。