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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

踊素

イングリッシュ・ナショナル・バレエ『海賊』@東京文化会館

これに先立つ14日の『海賊』公演後、プリンシパルに昇格したアリ役のセザール・コラレスがとにかく凄い。スケート靴履いているのではという回転速度。そして3幕の白い花たちは阿片幻想表現でも白眉なのでは、とうっとり。ところで『海賊』というと、アリ役が…

イングリッシュ・ナショナル・バレエのコッペリア@東京文化会館

昨晩の公演が今夏の日本ツアー1日目。が、プロローグの一音めからして、あ、今日はダメな楽団……、という残念感。もう東京シティ・フィルハーモニック使うのやめてほしい! が、こういう時に限ってアンケート用紙のない公演だったり。そしてスワニルダが、ENB…

「イン・ザ・ナイト」

それぞれの衣装の素敵さと、リフトでの蝶が舞うようなひらひら感、ブラウリオ・アルバレスさんの王子様っぷりにうっとり。うっとりできたのも、ショパンを弾く松木慶子さんの演奏がきちんとしていたおかげ。世界バレエ・フェスなどでがたついたショパンの生…

「中国の不思議な役人」

「役人」は、これまで何度か見たときには、宝塚のレビュウの衣装のようにスパンコールと羽根のついたレオタードを着て男が演じる「娘」役は、女性に見えなくもない体格の男性ダンサーが演じていることが多かった記憶があるのですが、22日の公演では明らかに…

東京バレエ団@Bunkamuraオーチャードホール

すこし時間が経ってしまったのですが、2月22日の東京バレエ団の「中国の不思議な役人」(以下「役人」)と「イン・ザ・ナイト」(以下「夜」)の感想を。すでにオーレリ・デュポンの「ボレロ」の感想を先にあげていますが、上演順は ・役人→夜→ボレロ でした…

オレリー・デュポンの「ボレロ」@Bunkamuraオーチャードホール

緊張のほかに重圧を感じるオーレリ・デュポンの「ボレロ」だった。ギエムが「最後」という封印を何度も破って、東日本大震災後や一昨年の大晦日までボレロを踊り続けてきた日本でボレロを踊る、という重圧は、こちらが勝手に想像していただけではないと思う…

『くるみ割り人形』@東京文化会館

今日の東京バレエ団とダニール・シムキンのくるみ割り人形は、衣装の色とデザインが一部、学芸会チックなパステルカラーのものが残るほかは、プロジェクションマッピングなどを使った演出・美術、配役などかなりよかった。ユカリョーシャこと斎藤友佳理の芸…

ミラノ・スカラ座『ドン・キホーテ』@東京文化会館

セットも衣装も華やかだけど、やたらパステルカラーを使っての学芸会チックなものではなく、ダンサーもオールスカラ座キャストで舞台は素晴らしい。なのに、相変わらず日本側のオケがいまいち。なんですかその序盤のファゴットの濁った音は……。指揮者は中間…

オールスター・バレエ・ガラBプロ@東京文化会館

オールスター・バレエ・ガラ、最終日のBプロでした。ラフマニノフの「ラプソディ」にアシュトン振付を、フェリとコルネホの二人で幕開け。2007年に引退、したと思ったら2013年に50歳で復帰、今年53歳のフェリを見ると、年齢って、なんだろうと思えてきます。…

オールスター・バレエ・ガラAプロ@東京文化会館

初っ端のロパートキナから超人ばかり。夫の人の言う「フルコースじゃなくて、メインの肉肉肉魚肉の世界」に納得の濃さ。ほかには、ザハロワとエイマンの「チャイコフスキー・パ・ド・ドウ」、アナニアシヴィリとゴメスの「ジゼル」と、アナニアシヴィリの「…

「バレエの王子さま」@文京シビックホール

某カレーを思わせるタイトルがちょっと……な公演、「バレエの王子さま」最終日。ほぼコンテンポラリーばかり、そして思索的なものとコミカルなものが交互にやってくるのが面白かったです。まずはオープニングでややコミカルに今日のメンバー紹介。そしてダニ…

英国ロイヤル・バレエ『ジゼル』@東京文化会館

サラ・ラムとマックレーでジゼル。サラ・ラムの目の大きい、ムンクの思春期の少女のような顔は、こういう役に合いますね。そして彼女が小顔なせいか、今まで薄々感じていたマックレー、バレエダンサーにしては顔というか頭大きい疑惑が確定。ヒラリオン役よ…

英国ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』@東京文化会館

サラ・ラムとワディム・ムンタギロフのペアに、あの衣装(化学染料のない時代らしいくすんだ色に素晴らしい織や刺繍、縫い取り)、練られた舞台美術、いかにもお芝居!的に明るすぎない照明、パリス役に話題の例の彼、娼婦役の特に赤毛のダンサーの素晴らし…

ハンブルク・バレエ団『真夏の夜の夢』@東京文化会館

『リリオム』もそうだったが、音楽の使い方が素晴らしい。妖精の世界ではリゲティの現代音楽に、バレエならではのセリフのない演技と銀色の水泳帽と全身タイツのような衣装で、それが粘菌たちの世界を高速撮影した神秘的な映像を見ているかのような錯覚さえ…

ハンブルク・バレエ団『リリオム−回転木馬』@東京文化会館

前日にゲネプロ見学を経ての鑑賞。本番で衣装がついてようやく何が起こっていたのかわかった場面もあるし、「なるほどゲネプロと本番では役への入り込み度が違う人もいる」というのもわかったしで、おもしろい体験でした。ただ、ゲネプロで長いなー、と思っ…

『Maiko ふたたびの白鳥』@恵比寿ガーデンシネマ

初っ端から泣かされる。いやー、これはズルい始まり方! しかし、シビアなバレエの世界を語るしっかりした西野麻衣子=マイコの声と、レッスン中のきっちり上がってる胸筋や横隔膜のプロな身体、舞台袖で気合入れるためにマイコが自分の太腿をぱしーんぱしー…

シルヴィ・ギエム「ライフ・イン・プログレス」@東京文化会館

この日のギエムの公演、AdieuからByeに改題なった最後の演目、ステージ脇の壁に触れるギエムを見たら、これまでに東京文化会館で見たギエムの演目が激しくフラッシュバックして、気づいたら泣いてました。ダンスだけでなく、場所の魔力ってやっぱりあるなあ…

シルヴィ・ギエム ファイナル@前橋市民文化会館

演目一つ目に、フォーサイスのあの『In The Middle, Somewhat Elevated』が入ると聞いて、ギエムが踊るのか?!と色めき立ったものの、当日、配役表を開いてみればそんなことはやはりなく、全員が東京バレエ団の演目でした。さて、In The Middle を初めて見…

マリインスキー・バレエ『白鳥の湖』

3年前の世界バレエフェスティバルの「瀕死の白鳥」で、それまでに見ていたほかのダンサーの同タイトルの印象をほぼすべて吹き飛ばしてくれたロパートキナ様が、黒鳥をどう踊るのか、が最大の興味だったこの公演。黒鳥での登場シーンの無表情は、男に利用され…

『スコット&ゼルダ』@天王洲銀河劇場

表現者は抉られるところの多いだろうテーマ。「あなたの書くべきもの、書きたいものはゴシップとスキャンダルでしょ」(うろおぼえ)とインタビュアーに言うゼルダのセリフは、その後にイエス・キリストのイスカリオテのユダへのあの言葉「あなたがしようと…

ミハイロスキー劇場バレエ新春ガラ@東京国際フォーラム

新年初バレエは昨日のミハイロスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立バレエ)の新春ガラ。演目は次の三つ。 第1部「くるみ割り人形」より第2幕 〜おとぎの国〜 第2部「白鳥の湖」より第2幕 〜オデットと王子、湖畔の出会い〜 第3部「ライモンダ」より第3幕 〜ライ…

『ドン・キホーテ』@東京文化会館

ボリショイのドン・キホーテ、まさかのドルネシア姫のシーンで涙腺崩壊! 何にって、耄碌じじいドン・キホーテの純情純粋っぷりにですよ。この美しい場面は全部、アレクセイ・ロパレービチのドン・キホーテの脳内から生み出されてるんだなあ、でも気づかずに…

『アリス・イン・ワンダーランド』@青山劇場

お誘い受けて見て来たミュージカルの『アリス・イン・ワンダーランド』、子ども向けかと思ったら、かなりシビアな大人向けの始まり。なにせ主人公がアリスはアリスでも、子持ちで離婚調停中、明日の昼までにボツ原稿の書き直しを命じられてる作家!ミュージ…

ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン 2014【プログラムB】@サントリーホール

この日はかなりステージに近い席で、リムスキー=コルサコフとムソルグスキーでロシアデー。アンコールはシュトラウスのエジプト行進曲とエキゾチックに終了。ウィーンフィルメンバーが舞台からはけたら、とつぜんドゥダメルがまた一人で出てきて挨拶。こな…

ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン 2014【プログラムE】@サントリーホール

演奏が素晴らしすぎて、感想が箇条書きにしか出てきません。・今晩は皇太子さま(ヒゲじゃないほう)ご臨席。 ・ドゥダメルは昨年9月にスカラ座と来てリゴレット振ったときより痩せていた! ・ウィーンフィルのみなさんは仕事がとても愉しそう。松本大洋の『ピ…

東京バレエ団創立50周年 祝祭ガラ@NHKホール

NHKホールで東京バレエ団50周年記念公演。記念の大入袋が配られたんだけど、中身は今回のロゴ入りのえらい実用的な品物。遅れて席に着く時に使えと? 公演は、最初にチャイコフスキーの『眠れる森の美女』のパノラマが演奏され、同時に東京バレエ団がまだ東…

英国ロイヤル・バレエ団の『アリス』

ロイヤルのバレエ版アリス、見どころありすぎ、麗しすぎで目が潤みます。衣装も一点一点目の前でギロギロ見たいものばかり! その中でも、原作ではもっさりした印象のいも虫が、あんなにゴージャスでエキゾチックかつエロティックになっているのが特に素敵。…

第13回世界バレエフェスAプロ第4部感想

(1)「ブレルとバルバラ」エリザベット・ロス/ジル・ロマン 振付:モーリス・ベジャール、音楽:ジャック・ブレル、バルバラシャンソン歌手ブレルとバルバラの歌声に乗せて、女声のときには男性が、男声のときには女性が踊る演目。まずあれっと思ったのが、…

第13回世界バレエフェスAプロ第3部感想

(1)「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ マリア・アイシュヴァルト/マライン・ラドメーカー 振付:ジョン・クランコ、音楽:セルゲイ・プロコフィエフ ジュリエットがロミオに向かって感情を吐露するのに、ロミオはたびたび自分の感情に酔っ…

第13回世界バレエフェスAプロ第2部感想

(1)「扉は必ず...」 オレリー・デュポン/マニュエル・ルグリ 振付:イリ・キリアン、音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく) えっと、これわたし、第3部(1)の「ロミオとジュリエット」だと取り違えて見始めたので、「なん…