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2011 岡村靖幸 LIVE「エチケット」


新木場で『ぶーしゃかLOOP』でも垣間見られる中年のねっとり感が加わって、ますます濃厚になった岡村ちゃんを堪能。泣いたりしそうなのと終演後腑抜けになりそうなので、ひとりで行くと決めてたけど、2曲目のカルアミルクでいきなりこみあげてくるものが…。


思えば'96年、岡村ちゃん本人の美意識からは許せない肥満っぷりのため、ライブ写真のメディア掲載禁止というツアーの(この腹いせもあるのか、当時の音楽誌で「雄大なサバンナを疾走する象のお尻のような」だの「世界一踊れるデブ」とか形容されるほど太ってた)武道館ライブで見て以来のライブだった。


あの時はロキノンJPNに自分の「岡村ちゃんの復帰が心配だ」的な内容の文章が載り、今はどうだか知らないがそのころそのコーナーは投稿者の住所氏名がばっちりさらされちゃうシステムだったため、その内容に怒った熱烈な岡村ちゃんファンであるところの大田原市消印、オカムラヤスコさんからペパミントグリーンの便箋封筒に紫色のペンで書かれた、色合いからして強烈にDQN臭漂う強烈なディスりレターが届いたりしたものだ。便箋3枚目は「茨城統一!」みたいに「靖幸最高!」とか大きい字で書いてあったっけ。今回のツアー、オカムラヤスコさんもどこかの会場で見てるといいな、と思う。


でもって今回のライブの演出は若いころよりあっさりしていたけれど(活動休止前のライブでは'96年の時でさえ、弾き語りの途中で一人芝居で女子の前に跪いてなにかを舐め上げるジェスチャーとかあったりしたけど、今回そういったところは「デンス」部分ではちょっとあったのみ、弾き語り部分ではまるでなし)、岡村ちゃん自身の加齢によるフェロモンが、完全に復活したあの歌声にねっとりとした感触をまとわせて、若いころよりエロさを感じさせるライブだった。


岡村ちゃんってもともと打ち出してるキャラが過剰で濃厚で、そして濃厚すぎてちょっと気持ち悪くて、でもそこが癖になる感じではまったら離れられない感じではあったのだが、帰ってきた岡村ちゃんは中年フェロモンを打ち出そうとして打ち出してるのか、それともどうしようもなく噴出してしまうのかが、ちょっとよくわからなかった。ていうかわからないくらいメロメロで、興奮してて、ぜんぜん眠くならないので困っている。


ところで岡村ちゃんのCD聴いたりライブ行ったりすると、なんか脳内にありえない恋愛妄想とかが展開してしまうのだが、この日も帰りの有楽町線で、「なんらかの罰ゲームを受けたみっちーが、そこらのおばさんを制限時間内になるべく多く落とす、とかのターゲットにわたしがなっても、ぎりぎりのラインであわあわしながらも家族を裏切らないで逃げおおせるだろうけど、岡村ちゃんだったら、『…ねぇ』って言われた時点でもうダメだな」などということを考えていた。アホだ。まるで中学生だ!


それでもって、岡村ちゃんの長い不在中にわたしはみっちーのファンになっていて、でも、とあるみっちーのライブでのギャグコーナーで「欽ちゃん的コント」をやるみっちーに幻滅してライブに行かなくなったんだけど(あの手のお笑いが昔からどうしても受け付けないため)、それってやっぱりみっちーを岡村ちゃんの代替品として愛してたっていう部分も関係していたんだと思う。本体が好きだったら、その程度のことってどうでもいいと思えるだろうから。


というか、今日のライブでやっぱり岡村ちゃんはオリジナルなんだなあ、と思い知った。わたしにとっては岡村ちゃんがカルピス原液なら、みっちーはおしゃれなカルピスソーダという感じなのだ。岡村ちゃんの「気持ち悪さ」は本人がかっこいいと思って打ち出してる濃厚な部分が、受け取り手にとっては気持ち悪いものに転化してしまっているところが少なからずあると思うけど、みっちーの気持ち悪さってちゃんと計算された上で打ち出されているものだろうと思うし。もし今後、岡村ちゃんとみっちーのイベントがかぶったら、迷わず岡村ちゃんに行っちゃうんだろうな。


しかし、あの「君が代」! あんな右翼総受けレベルのエロい国歌、初めて聴いた。やっぱり岡村ちゃんは天才で変態だ!