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山本七平疑惑

連れが貸してくれて面白かった本、『喪失の国、日本―インド・エリートビジネスマンの「日本体験記」』。宗教と生活が密接に結びついたインド人ならではの、日本の生活や文化で、おそらくはわたしたちが思いもしない部分で著者が感じるタブーの意外性や根深さ具合がわかりやすい表現で書かれている。

といってもその筆致はいわゆるガイジンの日本体験記の文体よりもいささか文学的で、情緒的な部分でわかりやすいがゆえに、「これってヒンドゥスタンをよく知る日本人の手によるものなんじゃないのだろうか…」と思ってしまう。まえがきやあとがきに見る「原書」入手の経緯とかも、なんだかロマンチックすぎるんだもん。

こういうのっていわゆる(?)『日本人とユダヤ人』疑惑ですな(つーか『〜ユダヤ人』のほうはとうとう山本七平単独著作としてさきごろ新書になってましたね)。