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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

旧正月は中華を

新宿の辺鄙な寂れ商店街にある宝玉のようなお店で。関帝様の像が神棚チックな位置にあって、蓮の花型の入れ物でお灯明が供えてある。
ここの味は金剛石とはいかないけど、翡翠くらいのレベルはらくらく超してるのに、ほんとなんでこんなとこに? と思いつつも、それゆえ穴場であり続けてるのがうれしい。ほとんどのものが江戸前寿司のように味付けしてあって、出されたそのまま食べておいしい、けど、化学調味料はほとんど使ってないマイルドな滋味にあふれる一皿一皿に親しむ。
ここは一級厨師の腕もさることながら、素材の良さがすごい。じゃがいもの冷菜は素材の味に驚嘆、どうやって作るのかいつも首をひねる一皿。ほかにセロリと湯葉の冷菜、海老の衣揚げ、あひるの唐揚げ、小龍包、焼き餃子、やきそばなど。
さて今回の目玉は予約が要る林檎の飴がけ。あつあつを氷水にくぐらせて飴を固めてかじると、とろりとあったかい林檎に、胡麻入りのしゃりしゃりの飴衣のコントラストに震える。〆はしゃりしゃりした大根の葉の入った野菜のおかゆ。貝柱の出汁が利いて、ただの落ち着く炭水化物に収まらない味。