「ほんとうに頭がいい人は、難しいことをわかりやすく説明できる」という実例のような、そしてわかりやすいだけじゃなく、日本語の表現としてもブリリアントな筆致に思わず惚れそうになる本。
読書中、この通俗的な書名からは予想もしていなかったのに、真に科学的な思考は哲学に近接するのだなあ、と思わずギリシャ思想に思いを致す叙述が頻発。
そしてもちろん、人間の健康に関する緊急課題であるタイトル内容も、じつに平明に解き明かされています。ノンフィクションでここまでスリリングとエレガントが共存している書物は実に貴重。
さあ、どうぞ756円で、明晰な日本語による「牛をめぐる冒険」を!