『ディリリとパリの時間旅行』@恵比寿ガーデンシネマ
美しいものを見たなあ、という感慨に浸ることができるフランス風アニーのような映画です。
「子どもはあんなこと言わないでしょ」と感じるようなディリリの言葉も、「いや、でもここまで徹底的にフランス語を身につけた、しかも女子ならこの年齢でも言うかも」と思わせてくれるのは、フレンチ・マジック。
でも子どもって時々、ハッとするほど哲学的なことや、達観したようなことを言ったりしますよね。そういうハッとする瞬間がちょこちょこあるのは、映画マジック。
そしてなんといってもディリリの動きが、「そうそう、子どもってそういうふうに動くよね!」と思わせる、細かな観察眼に裏打ちされているのです。ディリリが最初に縄跳びをするときの、縄がスカートに少しだけ引っかかる繊細な描写に胸を撃ち抜かれました。
とはいえ、ストーリーはかなり現代のISISや、わたし自身の足元での女性の扱いや、男尊女卑を含む洗脳の恐ろしさについて、あれこれを考えざるをえない展開で、ただ綺麗なだけのものではありません。そこからの脱出劇が軽妙洒脱なので救われますが。
字幕で見ましたが、吹き替えでももう一回見たいなあ。