老後の計画に理想などない
今週のお題「理想の老後」と言われてふと気づきました。なんとワタクシ、あと五年で池内紀さんが東大を早期退職して「隠居」に入った年齢になるではないですか。
でも当方、凡人なので、五年後も今の仕事を変わらず遊び気分で(霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目校正類としては、校正校閲の仕事というのは解きがいのある面白いゲームをしているようなものなのです)、昇進も狙わず(そもそもただただ実務をしていたいだけで、偉くなって実務以外の管理職的な仕事とかをしたくないのです)、奨学金も返済中で資産もないので、勤め人をやっているのではないでしょうか。
あれ、これってもしかして、若い頃「いいなぁ」と思っていたあのアレに極めて近いのでは?!
それに考えてみれば、子どものころからの「何かを読む仕事がしたい」という夢もいつの間にか叶っているんですよね。『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』の活字中毒者、「え・ぽ・き・し」のモデルで、 を構想したあの方が結局、書評家として四十年過ぎたようなものでしょうか。これまであまり平坦な人生を送ってきていませんが、好きなことに食らいつく根性については、自分を褒めてあげたい気分です。
それはいいとして、老後になってもやっていたいこととしては、世間の役に立ちそうもない同人誌を書いたり読んだりすることがあります。
とくに、今夏のコミケ用新刊『クズ度で見る古典バレエ』の背表紙で、印刷屋さんがこんな技を繰り出してくると、「ふふふ、また背表紙に文字が載るかどうか微妙なくらいの薄い本を書こうかな」と思うのです。
しかし、志が低すぎて、というかそもそも志などない老後の計画で、理想などはまったくないですね。なんだろう、退職金でクルーズ旅行とかそういうのが「理想の老後」として想定される正しい答えなのかな?
あ、でもそういえば、似たようなものはありますね。人権において自由になったチベットに、日本で知り合ったチベット人たちと遊びに行くこと。はてさて、この理想、今生の老後で叶うかどうか。
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