お金払ってモニターさせられ損
たまに着物を着ます。二か月に一回くらいの頻度なのですが、そうなってしまうのはものぐさだからで、つまり着物の着付けのあれこれを簡略化できるなら、ある程度お金は出して道具をそろえています。
今のところ、襟まで全部レース生地で出来ていて、襟芯を通すだけで半襟付けの不要な半襦袢がお気に入り。 なによりレース生地なので、梅雨時でもある程度涼しく着物を着られるのです。
ところでとある着物ウェブショップで今年の二月ごろ、「モニター価格」ということで着てみた感想を伝えることが前提の、少し割安なワンピース型襦袢がありました。
計画段階では衣文抜き付きだったのが、注文してから「ワンピ襦袢ご購入者のみなさまへ:HP表示誤りのお詫びと仕様変更・ご確認について」と題してこんなメールが。
この度は、「モニター割引・ワンピ襦袢」ご注文をありがとうござ
いました。
本日ご連絡させていただきましたのは、
発売当初に掲載されていた画像の誤りについてです。
表示されていた画像には「衣紋抜き付き」と表記されておりましたが、
実際には今回のモニター販売品には衣紋抜きはついておりません。
去年夏頃、モニター販売を予定していた時には
衣紋抜き付きで考えていたのですが(画像はその時のもの)、
なんども着用して感じたのが特に衣紋がなくても、
衿はちゃんと抜けるんじゃないか、という結論に達し、
改良を重ねた上で今回は衣紋なしでいこうということになりました。
とはいえ、きっと様々なご意見があるかとは思います。
ですので、商品到着ごお送りする「モニターアンケート」にて
衣紋抜きの件も含め、みなさまのご意見をお聞かせいただけたらと考えております。
ご購入いただいたみなさまの中には、衣紋抜きがついているから、
ということでご購入を考えた方もいらっしゃるかとは思います。
表記に誤りがあり、誤解を与えてしまったこと心よりお詫び申し上げます。
ご購入後、衣紋のありなしでご不便を感じられた方へは
改めてご対応も考えておりますので、まずは商品を
お試しいただけたらと考えております。
ご理解のほどどうぞよろしくお願いいたします。
えええー、衣文抜きが付いているから購入を決めたのに~。
と、思って質問。
衣紋抜きが付いているので買った者です。着付けた当初は抜けても、動き回ると襟って崩れてきませんか?そういう時に直すのに衣紋抜きが付いていてほしいです。
すると、こんなお返事が来ました。
お世話になります。
着用する際に、衿を肩に乗せる感じ・・・とでも言いましょうか。最初に、衿の位置を決め腰紐で締める前にしっかりと胸元や背中周りの余分なシワをとっておきます。そうすると、素材が綿だというのもあり摩擦で動きにくいので、時間がたっても衿がつまってくることはほとんどありません。 モニターとしてお試しいただいたあと「やっぱり衣紋抜きがないとだめ!」 という方へは、背中部分に取り付けるタイプの簡易な衣紋抜きのパーツを お届けすることも考えております。ですので、一度お試しになってアンケートにご使用のご感想をいただけませんでしょうか。もちろん、現段階でしたらキャンセルも可能ですのでご検討くださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。
うーん、衣文抜きだけって売られているけど、あれを既存の襦袢に縫い付けるのが大変だから、衣文抜き付きにしたんだけどなあ。でもそこまで言うなら自信があるんだろう、ということで注文続行を伝えました。
お世話になります。ワンピ襦袢、ご購入の件、そのまま続行ということで承知致しました。 返品はできませんが、ご着用になられて不便を感じられましたらぜひお知らせください。何らかのご対応をと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
「何らかのご対応」って「これを縫い付けてください」って衣文抜きが送られてくるのかなぁ、と一抹の不安を抱えつつも、四月にワンピ襦袢が届くのを待っていました。
で、届いたワンピ襦袢なのですが、うーんんん……。
・生地は下着には分厚くゴワゴワ
・腰紐の位置が下過ぎてむしろ付いているだけで邪魔
・襟は、当初付くはずだったのがとりやめになった衣文抜きが、
というわけで、このワンピ襦袢、
無用の長物になってしまったなあ、と抽斗にこれがあるのを見るたび、面白くない気分だったのですが、ふとメールボックスを見ると、「改良版ワンピ襦袢」なる文言入りのメールがこのお店から来ているではないですか。
見に行っ
・生地は下着並みに薄い
・腰ひもなし
・衣文抜き付き
となっていて、
モニターで買ったワンピ襦袢に関しては、安くもない金額を払って「
バレエ鑑賞と「STAY HOME」その3
相変わらずたいして生活に変化なく、通勤中には世間の皆さんが戻って来たなあと思いつつ、出社しています。変わったことといえば、バレエ教室が再開して、レッスン中もマスクを求められるので、涼しいマスクを入手したことくらいかなあ。
◆サンフランシスコバレエ『Bound To』(公開終了)
40分ほどのコンテンポラリー。面白かったので、今回も少しだけど寄付。
オムニバスのように見えて、最初と最後はSNS繋がりなのかな。
最初のスマホで繋がる群像からスマホに阻まれるカップルの作品が秀逸。カップルじゃなく親子とかでもあるあるだろうなー。
三つめの女性のPDDで始まる作品、なにか問題を抱えた恋人同士なんだろうなと思っていると、背の高い方がブルネット、低い方が黒髪という同じ特徴のペアが追加されて不安の増幅の表現なのだろうかと思いつつ、音楽とダンスが美しいのでじっくり見る。
◆ダンス・シアター・オブ・ハーレム『クレオール・ジゼル』(公開終了)
アメリカ南部・ルイジアナの黒人社会に置き換えたジゼル、「クレオール・ジゼル」。好評につき公開期間が延長になったのは、#BlackLivesMatter に関連してということでしょうか。
実際、ジゼルの肌の色からもいろんなことを考えさせられます。ジゼルが肌の色の薄い黒人なので、より搾取され具合を生々しく感じたり。一幕終わりでは白人の農園主が来るのかと思ったら、そこは違ったのね。二幕、タイツの色とかどうするんだろうと思ったら、舞台は暗黒の森じゃなくて、薄暮の沼沿いの墓地という設定でした。
DTH Legacy Alert: Creole Giselle Extension
— DanceTheatreofHarlem (@DTHballet) 2020年6月8日
We were so moved by the impact Creole Giselle has had on so many of you, we’ve decided to extend the streaming time on our YouTube channel until 11:59pm EDT on Wednesday, June 10th.
#DanceTheatreOfHarlem #DTHonDemand #CreoleGiselle pic.twitter.com/yKXCgINOvV
◆クィア・アイのシーズン5、1話目、「牧師の挑戦」
信者だけでなく、牧師のLGTBにも門戸を開いたルター派の牧師の変身に泣いてしまった。日本の教会、それもカトリック教会は、まだまだこんなふうに力強く寛容になるのは難しそうだなあ、というのもあって。 あと、やっぱり教会ってどこも台所事情は苦しいよねっていう切実なところがひしひしと伝わってもきた。
◆Netflix『愛の不時着』関連
やっぱり『愛の不時着』の財閥のモデル、サムスンだったのかなあ。繊維産業(ファッション関係?)を合併してるし。それにしても、サムネの写真、バカ次男役に顔が似てて驚いた。
バレエ鑑賞と「STAY HOME」その2
お題「#おうち時間」はわたしには訪れないまま、五月が終わろうとしていますが、なんとなく休みの日にはネットでバレエを見る日が多くなってきたかも。というわけで最近見てよかったもの。
◆イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)『NORA』(公開終了)
原作はイプセンの『人形の家』。素晴らしかった! 音楽はフィリップ・グラスで、今月23日の朝4時まで公開予定でした。『人形の家』って、現代でもよくあるようなトラブルで、それこそ家庭板に定期的に報告されていそうな話だな、とあらためて思う。
ほんの30分ほどの作品なのですが、ノラ役のクリスタル・コスタのテクニックもさながら、表情の演技が秀逸。エリートの夫の傍で、あんなにとろけるように幸せそうだったのに、夫の「愛」の本質に気づいた瞬間の嫌悪感、出て行く気持ちが固まってからの完全に夫に興味を無くしていく、なんなら他人目線で憐れむような目つき、顔つきが凄い。
夫役のジェフリー・クリオはENBのアクラム・カーン版ジゼルに続いて厭な男の役。こういう役が好きなのかなあ。いや、似合うけどもかっこいいので正統派王子様もたまには見たい。
ちょっとNoismっぽく感じられたのは、「声」たちの衣装や舞台装置、音楽の使い方のせいかな。Noismが踊るこの作品も見てみたいし、2010年に再演されたというNoism版『人形の家』も見てみたい。
◆英国ロイヤルバレエ『アナスタシア』
ケネス・マクミラン振り付けで約2時間、日本時間で5/29の午前3時まで公開中。
1~3幕のうち、1~2幕がロマノフ王朝のきらびやかな世界、3幕はロシア革命後のアナスタシアの精神世界。赤子が出てくるので、いちばん有名なアナスタシアの僭称者アンダーソンがモデルなのかな。
そうなるとどうしても、3幕のアナスタシアは作劇上、本物か? ということがちらついて、1~2幕が3幕の人物による「回想」だとしたら、そこで踊りによって演じられたことはどこまで信用していいのか? という気持ちになってくる。
ニコライ2世とマリインスキーのバレリーナとの関係も出てくるけど、ずーっと美しいアナスタシアの母・アレクサンドラと比べて、俗っぽいいやな女として出てくるのはアナスタシア目線なのか、振り付けたマクミラン目線なのか、とか。
そこに至るまでの1~2幕は衣装も舞台装置も見どころたくさんです。3幕はとにかく振り付けとそれをこなすダンサーたちが凄い。ただ同じマクミランの『マノン』の「沼地」を想起させられますね。こういうところに振付家の手癖が出るのかなあ。
ほかに見たいものリストに入れているのはこちら。
◆#Chainof8 Dancers creation during corona times in Japan
◆「こと問はず 舞い それ答えずして をどる」#1~#4
◆世界のダンサーたちからのメッセージ〜〈Hearts for Artists〉
眠れない夜はあなたも、こちらのリストから興味を惹かれた作品を見てみませんか?
バレエ鑑賞と「STAY HOME」
お題「#おうち時間」にふさわしく、ネット経由でバレエを見ることが多くなった。欧州での「Stay Home」期間中、さまざまなバレエ団が寄付を募りつつ作品をウェブで期間限定公開しているのだ。
しかし、わたしは時短勤務になったとはいえ相変わらず出勤を要する仕事なので、興味のある演目をすべて見ることができない。だが、見ることができて、その演目に時間いっぱい夢中になれれば寄付をしている。最低金額だけどね。
そこで感じたのが、やはり大手はIT投資や対応にお金を使う余裕があるみたい、ということだった。
たとえば英国ロイヤル・バレエの場合、寄付のカード決済が終わるやいなや、こちらの名前と寄付額の入ったサンキューメールが飛んできた。
かたやイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)は寄付のカード決済が終わって五日後に、こちらの名前と寄付額の入ったサンキューメールが送られてきた。こちらの名前は「Dear ◯◯」とファーストネームのみでフレンドリー、末尾にバレエのネットレッスンのお知らせ付きなのが好感が持てる。
なおこれまでに見られたものは以下です。マリインスキーは、そもそも募集していなかったみたいだけれど、寄付の仕方がわからないまま終わってしまった。
これからもまだまだバレエや舞踊のウェブ公開は続きます。こちら↓は有志の方による今後のバレエと舞踊の動画配信リスト。
◆Noism『ASU』
すでに一度、新型コロナの余波で6月下旬に延期され、新作『春の祭典』を見られるかどうか気を揉んでいるNoismの『ASU』。2014年冬の作品だが、すでに『春の祭典』っぽいので、これをどう更新してくるのか、期待したい。
ただ、夜八時台にFAX送られてきたのには、ちょっと心配になった。スケジュール調整とかいろいろ大変かもしれないけど、そんなのメール一本でお知らせすませちゃっていいから、中の人はあんまり残業しないでくれたらと思う。
◆マリインスキー・バレエ『眠れる森の美女』
真実の恋と愛の期待と予感に慄くキミン・キムの王子も素晴らしかったけど、1h33m~1h40mあたりのヴァイオリンソロ! 間奏部分は飛ばして見ようと思っていたのに、あまりに素晴らしい演奏で、ここは飛ばせなかった!
ところでキミン・キムの演技で気付いたけど、オーロラ姫ってほとんど「慄く」ってことがないのね。『ロミオとジュリエット』とか『白鳥の湖』なら、カップル双方ともに慄きがあるキャラクターであり演技だと思うけど、オーロラ姫は錘で刺されるその一瞬だけで、あとは常に周囲に対して「良きに計らえ」なお人なわけで。自身の王家の者としての風格を疑いもしない感じで、ディズニー式のオーロラ姫とはだいぶ違うな、と思う。
それも、 オーロラ姫が生まれたのはフランソワ1世の時代 (1494~1542年)で、百年後に眠りから覚めるのがルイ14世の時代 (1638~1715年)として作劇されていることを考えれば納得。
フランソワ1世時代の15世紀終わり~16世紀半ばのフランス貴族の結婚には愛だの恋だのが介在する余地はなく、出自の古い貴族と、新たに王に認められた貴族の間では、結婚による各家の領地や財産の流出防止とか保全だとかが大問題。一方、ルイ14世時代となると、貴族にとっての結婚と恋愛とは、「結婚して落ち着いたら配偶者以外と楽しむのが恋愛」という世界だったわけで。
なので、バレエの『眠れる森の美女』で王子が姫に愛を捧げるのを見ていると、今後、価値観の相違で王子の人食い母がいなくてもひと悶着起こるのでは、いやむしろ王子が姫以外と恋愛しても、姫にとってはあまり関心がないことなのかも、とかいろいろ考えてしまう……。
◆ENB『ロミオとジュリエット』ヌレエフ版
ヌレエフ版の『ロミオとジュリエット』。おそらく二人が一夜を共にしていない筋書き。コジョカルのジュリエットはやはり素敵!
それにしても、最初と最後に出てきた山海塾みたいな人たちはなんだったのだろう……。ペストのメタファー? しかしペスト関係なく神父が襲われて死んだから計画がロミオに伝わらなかった話に見えたけど……。
こういう時、リアルな来日公演でパンフレットを買いたいな、と思う。
◆英国ロイヤル・バレエ『変身』
新型コロナで「自粛警察」が徘徊するいま、見るのにふさわしい作品かもと見始めた英国ロイヤルバレエによるフランツ・カフカの『変身』。自粛警察より、隠蔽と正常性バイアスの話だった。変身後のザムザの振り付けなど、かなり伊藤潤二作品ぽさがあり、エドワード・ワトソンの驚異的な身体能力と演技力が破綻を感じさせず、とてもよい。
中盤、ラバースーツたちが出てくるところ、その手の沼に初心者を落とそうとしているみたいな。そしてあんなにプロポーションのいいラバースーツの人を見るのは初めてかもとも思った。
後半、ザムザの最後が原作通りではなかったのは、希望なのかな。円盤もありますので、興味ある方、ぜひ。
◆おまけ:ロイヤルの『鼻』タップダンス
シュールすぎる3分ちょっとのロイヤル作品。
ベルリンにもいるらしい。
なわとび各一本ずつ
出勤は続いているが、家にいる時間が多い。そうすると、休校中の子ども達が遊ぶ様子が聞こえてくる。
住んでいるのがファミリー向けの集合住宅で、中学生以下の子どもが何人か住んでいるので、彼ら彼女らやその友だちが遊んでいる声が聞こえてくるのだ。ちなみにわたしはその子ども達が幼稚園のころから階段や廊下を行き来する声を聞いている。
余談だが、その子ども達が幼稚園児のころに聞こえてきたほほえましいやりとりを内輪のSNSに書いたら、ある人に「なんで聞こえるの?」とコメントされたことがあって、意味不明だった。「耳に鼓膜がついてるから」としか返しようがない。さすがにそうは答えなかったが、なんだったんだろう、あれ。自分が育児していて子どもの声に文句でも言われた人だったのだろうか。この人には、あとで妊娠中だとわかった時期にもSNSで当たり散らされたことがあったな、そういえば。
話を戻して。しかしこんなに毎日、子ども達の声を、階段を登って家に入るまでの数秒とかではなく、どんな遊びをしているかわかるほど一定時間、聞くことはなかった気がする。
で、ふと思ったのだが、子ども達みんながみんな家にいて『あつ森』してるわけじゃないのね、あたり前だけど。出かける時に見かけると、みんなそれぞれ一本ずつなわとびの縄を持っていて、それが陣地になったり蛇になったり楽器になったりしているので、きみたちはほんとに令和の小学生なの? などと思ったりする。
まあ、親御さんがテレワークで、「外で遊んで来なさい!」と言われているのかもしれないけど。
ブルーベリーの濡れ衣
ベランダでブルーベリーを育てている。最初は行き先がなくなったのを一本引き取ったのだが、仲間がいると実のつきがよくなると聞いて、数年してもう一本、増やした。春にはかわいい花が咲き、夏は日々、けっこう実が取れていた。
だがここ数年、花は咲くのに実のつきが悪い。枝をあまり剪定していないからか、それとも実がつく寿命かと思っていた。
ところが、夫の人がリモートワークになって知ったのは、蜜を目当てにか、花を鵯のような鳥が食べにきている、ということだった。
なんと、ではブルーベリーの木の寿命やら何やらは濡れ衣だったのか! というか、鳥が実を食べに来たらいいな、とは思っていたのに、それは食べに来た形跡がなかったのに、まさか花を食べに来ていたとは! 意外すぎる真相だった。