読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

カメラとりんご

右側に『蜜りんごとメープル』。

◆黙して撮れ、そして写真に語らしめよ

宮嶋の文章はいつものように生き生きと、チェチェンのおばちゃんの姿を、生き物の見受けられない完全に制圧されたグロズヌイの町の様子を想起させる。もはや、ページの合間に挿入された写真は、そうやって想起させられたイメージを補完するものでしかない。もちろん、カラーで、そして適正なサイズで見れば、宮嶋の写真は彼のテキストよりも雄弁に、なにかを語るのかもしれないが。

それにしても文庫版のサブタイトルにあるチェチェンでの目撃談はものすごい。これだけのことをされたら自爆テロもするよな、というか、もはやチェチェン人としてなにか訴えるとしたら、その方法しか残されていないよな、と、彼らのテロの理由が腑に落ちる。

ところで、宮嶋のテキストは、本人が望んでキナ臭い場所に行っているという興奮もあるのだろう、キツい状況が描かれていても、常に笑いがある。戦場カメラマンとして、その笑いにはシニカルなものが多いが、そういうキツい、ときにはまさに死と隣り合わせの状況を振り返って書くときに、そこに笑いが漂うのは、人間にしかない反応だろう。

この、緊急事態を書き起こすに当たって、笑いとセットで文字化するという宮嶋の人間臭さが、写真よりも一層、事態をまざまざと読む者のうちに再現するのかもしれない。

しかしそれは写真家としてどうなのだろう。この、テキストによって彼が的確に伝えてくるものが、写真に込められ、放射されていれば、それこそピュリッツァー賞も夢ではないだろうに。


◆バランスアップ ベイカーズ 『蜜りんごとメープル』

もちっとした食感らしきことが謳われてたけど、あんまり期待してなかったのが、すっごいはまりました。おいしい〜。甘すぎないし、かなり「パン」な感じなので、残業中の間食とかにぴったり。

翌日、姉妹品の『くるみとレーズン』も買ってしまいました。バランスアップはむかーし、神田うの嶋田久作が宣伝してた時からちょくちょく新しい味が出るので買ってたけど、こんな新展開をしてたとは。侮れん!


オフィシャル・インフォ>
http://www.asahi-fh.com/hc/products/balance_up.html