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【気になる言葉】きゅうたいいぜん・だいそれた

先日、大家さんに「別府の地獄ってね、一巡りでいくら、じゃなくて、一地獄ごとにお金がかかるのよ、フフフ」と言われ、「これがほんとの『地獄の沙汰も金次第』か」と感じ入ったのですが、本当でしょうか。去年、別府方面には行ったのですが、地獄巡りはしなかったので、気になります。

そして気になるといえば、ただ生活しているだけで増えてくるのが気になる言葉。今回は二つです。

 

◆旧態依然

「旧態依然」。これを「旧態然」として使っている人がけっこう多いことにしばらく前から気づいていました。でもって「旧態依然」という言葉の存在を別にしてみると、「旧態然」でもそう間違っているとも言いがたいのが悩ましい。

ちなみに精選版日本国語大辞典で引くと「旧態依然」はこう。

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そして「旧態」はこう。

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さらに「然」はこうです。

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この「旧態」に状態を表す「然」を付けるのは「態」の語義がダブってはしまいますが、そういう組み立ての言葉はないわけでもない。そうすると「旧態然」も通じなくはないかな、と思えるのです。たとえば「お嬢様然」という言葉のように。

ただ、「お嬢様然としてツンとおすまししている」とは言いますが、「お嬢様依然としてツンとおすまししている」とは言いません。

というか、その場合、「お嬢様は依然としてツンとおすまししている」という意味になり、「お嬢様然として〜」の場合とは文意が変わってしまうのでは、という悩みが生じます。

となると今は誤用として使われ始めている「旧態然」は、「旧態依然」と同じ状況を指すとは言えないのではないか? う~むむむ。

 

◆大それた

「大それた」って、どう発音しますか? わたしは「だいそれた」だと思っていたのですが、ツイッターで「おおそれた」と打たれているのを複数回、見かけました。

で、この二つを日国で調べてみます。


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うーん、「おおそれた」でもさほど意味は変わらないのでは? と思えてきて、いまたいへん悩ましい状況です。もちろん仕事では「大それた」をひらいてかな書きするときは「だいそれた」と決まっているので悩まないですむのですが。