読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

読闘

このキモさ、アナタにも分けてあげたい

アンヌ・ヴィアゼムスキーの『彼女のひたむきな12カ月』、ようやく読了。 彼女のひたむきな12カ月 作者: アンヌ・ヴィアゼムスキー,原正人 出版社/メーカー: DU BOOKS 発売日: 2016/07/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る ゴダール信者にはお勧…

読書の経過

先月末の今週のお題「読書の秋」で書いたエントリで上げた本のうち、『聖☆おにいさん(14) 限定版 (講談社キャラクターズライツ) 』は読了。『彼女のひたむきな12カ月 』は、ゴダール、キモい……と思いつつ読んでいるせいか、ここのところの忙しさのせいか、読…

わたしが出会ったスゴい誤植

今週のお題「読書の秋」 とあるのですが、わたしがついつい読書中に読んでしまうのがいわゆる誤植、誤字脱字衍字(季節については「秋だけでいいのか、読書」で書いたとおり)。 今日は最近の読書の中で忘れられない誤植その他をご紹介。 亡びゆく言語を話す…

さーて、今秋の標的は……。

今週のお題「読書の秋」 前のエントリで、特になにもおすすめしなかったな、ということに今さら気づき、こっそり『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』を貼り付けてきた。 ついでにここに、今秋読むか、少なくとも入手はしておこうと思っている本を挙げて…

秋だけでいいのか、読書

今週のお題「読書の秋」 常々思っているのだが、なぜ「読書の秋」なのであろうか。夏は暑くて本が読めない、ということならば、いわゆる夏休みの読書感想文なる課題が出されることと矛盾する。 晴耕雨読という言葉があるが、それに照らせば、秋は晴耕した結…

『淳子のてっぺん』唯川恵

淳子のてっぺん 作者: 唯川恵 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2017/09/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 田部井淳子さん*1をモデルにした、田名部淳子を主人公にした、といってもエヴェレストまでの道のりは田部井淳子さんのほぼそのまんま…

『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』@岩波ホール

岩波ホールでは9/15までなので、あわてて見に行く。 詩人として、あるいは才ある喪女としてあの時代に生きることの困難さはじゅうぶん、描かれていると思う。けれど、元英米文学専攻としては、エミリ・ディキンスンについての史実として知られていることと違…

『ガラスの仮面』展@松屋銀座

・8/30:一回目 この日、ガラスの仮面展でびっくりしたのは、思ったより原稿用紙が大きくないこと。そしてあまりホワイトが入っていないこと。あっても目の描き直しか、ホワイトで描く部分。わたしは下描きとだいぶ違ってしまうことが多いので、プロはやはり…

映画『ラモツォの亡命ノート』初上映会@新宿歴史博物館

2008年の北京五輪を前に、中国内のチベット人の本音をインタビューして回ったドキュメンタリー映画があります。原題はチベット語で『ジグデル』(=恐怖を乗り越えて)。この映画を撮り、映画の進行役も務めたドゥンドゥップ・ワンチェンは、ただドキュメン…

Howling in the Night 2017―押井守、戦争を語る―@六本木ヒルズ

昨日は毎年恒例、そのために休みを申請してる、押井守まつりこと、「Howling in the Night 2017―押井守、戦争を語る―」の日。実写攻殻をメディアで激賞してたのでその裏とか撮影現場土産話と、タイトルどおりいま現在の状勢についての話などを楽しみに出かけ…

「イン・ザ・ナイト」

それぞれの衣装の素敵さと、リフトでの蝶が舞うようなひらひら感、ブラウリオ・アルバレスさんの王子様っぷりにうっとり。うっとりできたのも、ショパンを弾く松木慶子さんの演奏がきちんとしていたおかげ。世界バレエ・フェスなどでがたついたショパンの生…

「中国の不思議な役人」

「役人」は、これまで何度か見たときには、宝塚のレビュウの衣装のようにスパンコールと羽根のついたレオタードを着て男が演じる「娘」役は、女性に見えなくもない体格の男性ダンサーが演じていることが多かった記憶があるのですが、22日の公演では明らかに…

東京バレエ団@Bunkamuraオーチャードホール

すこし時間が経ってしまったのですが、2月22日の東京バレエ団の「中国の不思議な役人」(以下「役人」)と「イン・ザ・ナイト」(以下「夜」)の感想を。すでにオーレリ・デュポンの「ボレロ」の感想を先にあげていますが、上演順は ・役人→夜→ボレロ でした…

オレリー・デュポンの「ボレロ」@Bunkamuraオーチャードホール

緊張のほかに重圧を感じるオーレリ・デュポンの「ボレロ」だった。ギエムが「最後」という封印を何度も破って、東日本大震災後や一昨年の大晦日までボレロを踊り続けてきた日本でボレロを踊る、という重圧は、こちらが勝手に想像していただけではないと思う…

トリ人間が謎である謎

例のラスコー展のトリ人間について、夫の人との会話。 夫の人「人間って不便だね」 わたし「なんで?」 夫の人「一目瞭然のはずの絵を描いても伝わらないなんて。人間が鳥になるっていったら、世界中どこでも天に昇るとだいたい同義語じゃない?」 わたし「…

特別展「世界遺産 ラスコー展 〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜」@国立科学博物館

駆け込みで見てきました。おやつどきに着いたらまあまあ混んでおり、それでも音声ガイドも楽しみつつ2時間強はいたかなあ。洞窟の1/10レプリカはミニチュア好きにはたまらなかった! ただ、人形の大きさなどから1/12では? という疑念も。【作品紹介】なにや…

『魔夜峰央タロット』(説話社)発売記念 魔夜峰央先生 ミニトークショー&サイン会@書泉グランデ神保町

タロット占い―トランプ占い・遊び方付作者: 山田美登利,魔夜峰央出版社/メーカー: 白泉社発売日: 1980/11メディア: 単行本この商品を含むブログを見る中学のとき学校で没収された、魔夜峰央先生のタロットカードの再発記念ミニトークショー&サイン会。魔夜…

カップ焼きそばの作り方・その3

カップ焼きそばの作り方・初期山田詠美ふう。女性作家が少ないねって話から。だれか田辺聖子で頼む! pic.twitter.com/w5jAGklTEn— Mmc (@chevre) May 28, 2016うますぎるwww"@chevre: カップ焼きそばの作り方・初期山田詠美ふう。女性作家が少ないねって話…

『黄金のプラハから来たイエズス会士』ルドヴィーク・アルムブルスター、羽生真名

二日かけて読了。 ナチスとソ連により祖国から追われ、様々な偶然により戦後直後の日本に赴任、神父の業務に学生指導、研究者としての論文発表に、復興期の大学運営に学生運動、上智大図書館建設などの困難をくぐり抜けた経験、そして神と人と死の関係などが…

カップ焼きそばの作り方・その2

ハイデッガー、カップ焼きそばの作り方を語る。 pic.twitter.com/pDk3NQsqRr— Mmc (@chevre) May 25, 2016ヘルシュテツレンwwwww— DX版の羅生門メタ子 (@la_jomon_meta) May 26, 2016哲学者、焼きそば作ってない— 神火 (@shinkaseimei) May 27, 2016湯…

カップ焼きそばの作り方・その1

イエス、エルサレムにてカップ焼きそばの作り方を話される。食べ物関連で「分ける」「注ぐ」とか出てくると、やはりここに行き着く。あっ、信徒のみなさん石を投げないで! pic.twitter.com/MRsBQVcFxj— Mmc (@chevre) May 26, 2016Laudate nomen Dominiでは…

Howling in the Night 2016〜押井守、戦争を語る@アカデミーヒルズ49

今年の「押井守 戦争を語る」15回記念Tシャツ。受付で同じ柄のバッジを渡されたときに、 「ええっ、15回記念で筒井康隆来るの?」 と、激しく勘違いしたが、もちろんそんなことはなかった。 登壇した岡部さんもこの髪型ではなかった。

『垂直の記憶 岩と雪の7章』山野井泰史、ヤマケイ文庫

[rakuten:hmvjapan:11154153:image]なんというか、山野井泰史・妙子夫妻は、一般人とは人種が猿人と原人レベルで違うな、と読んでいると圧倒される。 僕は初めてのヒマラヤ登山で、八◯◯◯メートルの頂に立てた幸せな人間になったのだ。この場所が僕には天国の…

『凍』沢木耕太郎、新潮文庫

山野井泰史は偉人だが、妙子はその上を行く超人だと改めて思う再読。彼女が持病がなく、高所でもばりばり食べていたら、世界の壁の登攀史はどうなっていただろう。そんなことを考える。そしてそんな夫妻の世界をここまで書いた沢木耕太郎もすごい。リアリテ…

『外道クライマー』宮城公博

漫☆画太郎作品を読むときのように笑い、映画『エベレスト 3D』を見るときのようにゾーッとする、そして『ルパン三世 カリオストロの城』での空中でのルパンや地下や水中でのルパンを強烈に思い起こさせる一冊だが、「魂を揺さぶられる」なんていう形容詞はこ…

イングリッシュ・ガーデン@パナソニック汐留ミュージアム

3/21までの「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」を駆け込みで見てきた。もともとオタク趣味にはまる前は自分でも植物画を描いていたのもあり、この世界は大好物。いつ見ても彩色銅版画の世界はものすごい。今回はおそ…

ハンブルク・バレエ団『真夏の夜の夢』@東京文化会館

『リリオム』もそうだったが、音楽の使い方が素晴らしい。妖精の世界ではリゲティの現代音楽に、バレエならではのセリフのない演技と銀色の水泳帽と全身タイツのような衣装で、それが粘菌たちの世界を高速撮影した神秘的な映像を見ているかのような錯覚さえ…

Happy Tibetan's Independence Day!

いきなりですが、バレンタイン・デーの前日、2/13はチベットの独立記念日です。中国内チベットは、今年もまるで恒例のように3月末までとみられる外国人立ち入り禁止令が出ています。これは本土チベット人がこの時期から3月末にかけて、自分たちのアイデンテ…

ハッピー・ロサル!

毎月、些少ながら支援しているチベタン・チルドレンズ・プロジェクト(http://tcpnp.blog9.fc2.com)から、今年もロサル(チベット正月)のカードが届いた。今年は子どもたちお手製の栞が入っている!わたしのところには、海の生き物の描かれた栞。付けてあ…

大同生命地域研究賞受賞のこと

サン人の、いわゆるブッシュマン文化を消えゆくぎりぎりで研究・記録した田中二郎氏のインタビューが読売朝刊に載っていた。ネットで拡散してほしいのに、という記事ほどネットに上がってない例のごとく、ウェブ版には未掲載なのが残念。そのうち載るのかも…