読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

読闘

【気になる言葉】ほのめかす

「ほのめかす(仄めかす)」という言葉がニュースに登場すると、なんだか落ち着かない。「ほのめかす」というと、「うーん、それはどうかなー、知らないなー。あ、でもそれに関係するあれについては知らなくもないw」とか言って、他者を翻弄している感じが…

お稽古覚書

なんとか今日もバレエのレッスンをすませた。最後の方、頭から脚にぜんぜん指令が行かなくて、すんだとかすませたとか言っていいのか? というところもあるけれど……。 今回は一時間半のレッスン中、残り30分になって脳に酸素が足りなくなって、脳からの指令…

一気読み!石井桃子評伝

今月、文庫になったばかりの本、『ひみつの王国: 評伝 石井桃子』。 ひみつの王国: 評伝 石井桃子 (新潮文庫) 作者: 尾崎真理子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/03/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る ……もしかしたら四年ほど前の単行本発…

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』@バルト9

二回、泣いた。 一つは、輪転機を間近で見たこともあるので、あれに時間ギリギリでGO!が出るところ。ふつうは泣くような場面じゃないと思うけど、仕事での校了の緊張からの緩和が蘇ってきたのもあってか、涙が出た。 なお輪転機のシーンは写真製版ではなく、…

福岡アジア美術館のアジアギャラリー

福岡アジア美術館*1のコレクション作品が展示されている「アジアギャラリー」*2がすごい。 www.facebook.com 政治的な権利とか、民族としての自己を失わないためとか、今現在いろいろなことのために闘っているアジアの国の作家の作品が多いためか、作品から…

感謝の大風と涙雨

高畑勲監督が亡くなった。 かなしい。 東京は夜半からの涙雨を吹き飛ばすような、あるいは高畑監督を天井に連れ去るような大風。 www3.nhk.or.jp わたしが児童虐待されながらも生き延びられたのは、ハイジ、マルコ、赤毛のアンのアニメ諸作品に助けられたか…

夜桜連想

夜桜を眺めながら一人で歩いていると、ほの白い花に、早逝した友だちの顔を思い出す。白い花が、お棺のなかの白い顔を思い出させるのだろうか。 若くしてこの世を去った友だちについては、こちらが年経るごとに、「なにか手立てはなかっただろうか」という思…

オリオン座δ星から来た女

うちで夫の人と話していると、びっくりするような基本的なことを知らなかったりしてびっくりすることがある。びっくりする、というのはいろんなことを知っていて、教わることが多いので、その落差から。 ところで夫の人は時々こっちが襟を正す気分になるほど…

半可通の空目と妄想

出先のトイレの洗面台に置かれたスプレー缶に書かれた「shoshugen」を目にして、しばらく悩んでいた。ドイツには、ロイトリンゲン(Reutlingen)、テュービンゲン(Tuebingen)、ヘッヒンゲン(Hechingen)、ジクマリンゲン(Sigmaringen)、ドナウエッシン…

書籍検索機について

本屋さん店頭でよく見かける書籍検索機、よくお世話になっている。なってはいるのだが、この書籍検索機、いらいらさせられることも多い。 一つは、書店ごとにフォーマットが違うこと。某TK堂書店の書籍や著者入力欄では、「あいうえお」表が左から右に流れて…

ブックカフェを、そこに

motion-gallery.net クラウンドファンディング終了まであと数時間しかないのですが、より多くの関心と支援が集まってほしいので、載せてみます。 わたしもずいぶん本に助けられてきた、というか、本がなければ生き残れなかったと切実に思うので、ちょっとだ…

わたしは 13歳

移動中にイヤホンをつけて音楽を聴く習慣がない。そしてだいたいぼんやり生きているので、ときどき空目ならぬ空耳を聞く。 最近は、電車に乗っていたら、車内アナウンスで 「I am thirteen」 と言われ、 「えっ、いきなり『わたしは 13歳』って言われても。…

わたしを通り過ぎて行った猫たち

今週のお題「ねこ」 さいきん、猫を飼っている知人が激賞していたので、この本を読んだ。 猫はこうして地球を征服した: 人の脳からインターネット、生態系まで 作者: アビゲイル・タッカー,西田美緒子 出版社/メーカー: インターシフト 発売日: 2017/12/27 …

カカオの来歴

今週のお題「バレンタインデー」 今年も贔屓の和菓子屋がバレンタイン錦玉菓子を出していたのでそれと、チョコレートどら焼きも作っていたので購入。あと、前々から気になってたフーシェの惑星シリーズを、中身はフーシェを信頼しているので、ほぼ箱のデザイ…

神保町の古書店街

ツイッターでこんなツイートを見かけた。 半藤一利さんによれば、神保町にある古書店はほとんどが長岡藩出身者が作ったとのこと。虐げられた結果、文化を一つ作ったというのもすごい話だなあ。 — 千葉望 (@cnozomi) 2018年1月28日 いま、鹿島茂氏の『神田神…

さいきん見た映画:難民、インド、数学

退院後ずっと家にいたので、職場復帰のリハビリも兼ね、ここ数日外出しては映画を見ていたので、このお題「最近見た映画」など。 ・『希望のかなた』@ユーロスペース 日本人は倍、苦笑できるシーンあります。 映画『希望のかなた』予告編 日常のちょっとした…

チベット日和

今日はチベットに縁の深い一日だった。昼間はカワカブ会の「インドに生きるチベット人」講演会で、 日本で長年、チベット語教室とチベット関連製品ショップの「カワチェン」を運営されているケルサン・タウワさんのお話を聞き、夜は別口でネパール料理屋でチ…

年末年始映画

年末最後に見た映画は『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』、年始最初に見た映画は『ダンシング・ベートーヴェン』でした。 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』本予告 11月18日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー 「日本人こそが大感…

年末旅行・補遺

旅行に行っても霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の習性で、いろいろ気になる。ということで補遺。 ・日本語、フォント、レイアウト なぜ一行目はゴチックで「お掃除をして」とお嬢様ふうなのに、二行目は明朝、しかもやや小さめのフォントで「…

入院中の愉しみ

もともと持病とまではいえない各種内臓や呼吸器の不具合がちょこちょこあり、生活が病気とともにあるのがデフォルトのわたしは、田部井淳子さんの「病気になっても病人にならない」の言葉を知って、ちょっと人生の過ごし方が変わったと思う。 www.asahi.com …

恐怖! 差額ベッド代

ようやく入院前の「火-金曜日の9時から17時」でわたしの仕事時間にかぶらない今日の朝に、明日からの入院時の部屋のことが決まった。前回の模様↓ http://mmc.hateblo.jp/entry/2018/01/08/031223 まあまあ順当な内容になり、一安心。それでも「この部屋代で…

自由が丘のチベット吉祥紋

あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします。今日、正月二日は仕事始めの出勤前に、知人の誘いに乗ってルピシア自由が丘店におせちを食べに行きました。 お茶にまつわる話その他から、いつの間にかチベットの話にもなったのですが、会…

亡命のセンシティブ

昨日は中国で夫が政治犯として収監され、いきなり亡命者になったチベット人女性・ラモツォと子ども達が、その夫ととうとう再会! というニュースについて書きました。今日は続報として、亡命ということのセンシティブさを、映画『ラモツォの亡命ノート』監督…

誤読の楽しみ

ライトセーバー。映画『スターウォーズ』シリーズに欠かせない小道具である。 ところでこのライトセーバーのライトはlightなのか、rightなのか。またセーバーはsaberなのか、saverなのか。light×saberならば、見た目通りの「光るサーベル」だが、light×saver…

クリスマスに寄せて

菩提心がなければ功徳は積めないし、たとえ山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、全財産を貧しい人々のために使い尽くそうとも、誇ろうとしてわが身を死に引き渡そうとも、愛がなければ、無に等しい。 ダライ・ラマ14世法王猊下の、「古典的な宗教…

教会暦と文字校正

文字校正には、隣り合う整数を列挙する際は「、」でつなぎ、間に一つ以上の整数を挟んで示す場合は「~」でつなぐ、というルールがある。「2、3日の間に」は「2~3日の間に」とは書かないし、「12~15時間で」を「12、15時間で」とは書かない、というもので…

国政選挙は新聞社の「まつり」

こんにちは、クリスマスまで、あと残り一週間になりましたね。わたし・Mmcは新聞校閲の仕事をしています。このエントリは編集者アドベントカレンダーの19日目です。 「編集とライティングにアレコレまつわる」アドベントカレンダーということなので、校正・…

ブレードランナーと攻殻機動隊の根差すところ

2049と2051、この二つの空想未来世界での人間と使われるモノとの関係の差は、どこからきているのだろうか、ということを『ブレードランナー2049』の感想を書いてから考えていた。 mmc.hateblo.jp ブレードランナー=2049の世界では、人間はあくまで人間のま…

人間性の残酷さ/『ブレードランナー2049』@IMAX 3D

いろいろなネタバレがネットを開くと飛び込んできてしまうというのに、なかなか見に行けなかった『ブレードランナー2049』をようやく。3Dである、ということより音の良さを求めてのIMAX 3Dシアター視聴です。見てきた友人のほとんどが闘ったという尿意とは、…

日本に暮らすチベットのひとたち

中学の頃にTV画面の中のチベットに出会って以降、チベットのファンだ。人々が楽しげにピクニックをするなか、タンカと呼ばれる仏画の巨大なものが、丘の上から下に向けて広げられていく、壮大というか豪快な風景に、信仰といえばカトリックの教会のなかでの…