読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

2006-01-01から1年間の記事一覧

あと半月足らずの薔薇園のこと

そして、『キャンディ・キャンディ』の「薔薇は散るから美しいんだよ」というアンソニーのせりふを思い出したり、見る者のいないところで咲き続ける薔薇に、『少女革命ウテナ』の薔薇を思ったり。あと、昔から廃墟・廃園が好きなので、7月1日から伐採もさ…

曇り空の下、思うのは

曇りも晴れも雨の日も

週末に、暇があれば着物を着ようと虎視眈々の日々です。ここ二ヶ月では3回ほど。もう少しすると、着物を着ると、洒落にならないくらい汗疹ができる季節なので、シッカロールを買わなければ、と思いつつ、また今日も買って帰るの忘れました。あせも・かぶれ・…

さいきんきたきもの

最初で最後の横浜プリンスホテル

今月末で閉鎖が決まっている、村上春樹風に言うと、「失われつつあるホテル」であるところの横浜プリンスホテルへ。 窓から見える磯子駅裏の、沖まで10艘近くのタンカーを望む根岸湾の工業地帯に、ホテル開業時の50年前は、ここもただ湾曲した砂浜が広がるば…

村上春樹的ホテル

池田亮司C4I+datamatics[prototype]@東京国際フォーラム C

これを、室内で、コンサート会場で、着席で聞く、というのに違和感がある。そういう音と画像でした。前の方の席だったのだけど、演奏者が壇上にいるわけでもないので、巨大スクリーンを堪能するなら、二階席真ん中、とかのほうが没入できたかも。しかし、音…

『こうもり』Roland Petit's La Chauve-souris@新国立劇場

よかった! バレエで生演奏というと、今まであぶなっかしい演奏に当たる確率が高かったのだけど、この日は、エクセレントではないけど、ヨハン・シュトラウスのウィンナ・ワルツの名曲が主なせいか、あぶなげない演奏。衣装がどれもこれもすてき。女児たちの…

『密室彼女』劇団、本谷有希子(アウェー)@スズナリ

スズナリで見るお芝居は、わたしの場合、アタリが多い。ラックシステムの「お正月」とか、大川興業の「Show the black」とか。そして今回の「密室彼女」。二つの関係があるようなないような時空間が、ラストに向けてじわりじわりと、近づいて行く。そのじわ…

『28年目のハーフタイム (文春文庫)』

熱い本です。通勤電車の中なのに、星飛雄馬のような粘度のある涙が、何度もこみあげてきます。スポーツルポだからといっても、けっして、さわやかな涙ばかりではありません。むしろ、どうしてここまで来たのに、こんなことでチャンスを手放さなきゃいけない…

『かもめ食堂』

サチエのキャラクターに関しては『るきさん』その後? という感じはやはり、あるなあなんて思いながら見ているあいだに、頭がゆるゆるともみほぐされて、泥棒まがいのおじさんがおにぎりを食べるシーンで、泣くという自覚もなく涙がにじんでいた。しかし、そ…

PE'Z REALIVE TOUR 2006 春 〜あなたの明日に疲れを残さないために〜

小ぬか雨の降り続く横浜。元町・中華街駅で降りて、ほんとにこっちでいいのだろうか…と、怯えながら倉庫街のような方へ。会場は、むかしは進駐軍のクラブだったという横浜BAY HALL。たしかに、その名にたがわぬ立地でした。そして、ツアー副題とは裏腹に、最…

東京事変“Domestic”Just Can't Help It.@NHKホール

入ると、右下に黒猫堂と書かれた緞帳のふりして十二単の平安女性が、薄いスクリーンに映し出されている。時間になると、今度はそこに降りしきる雪。最初、花吹雪かと思ったのだが、椎名林檎が綿帽子に花嫁御寮の姿で、和傘差して登場して『雪国』歌ったので…

『まとまったお金の唄』@本多劇場

タイトルと正反対に、まったくまとまっていない舞台。アマゾンの「内容」によると、こんな話。 太陽の塔から落っこちて、お父ちゃんが死んで…。1970年代の大阪を舞台に、ウンコな哲学者や女性革命家たちの巻きぞえくらい、母娘三代、“お金に泣かされっぱなし…

『エル・スール』

20年くらい前に雑誌「Olive」で紹介されていて、ずっと気になっていた映画『エル・スール』を、先日初めて見ました。感想:こんな暗い話だなんて思ってもみなかったよ、ママン…Orzちなみに、「Olive」誌面から勝手にわたしが妄想していた『エル・スール』の…

『立喰師列伝』

ウソ戦後史を、いかにも、いかさまに、時折、うそっぽいほんものを織り交ぜて、ほんとらしくしつらえた、監督久々のギャグ映画!なんだが、えーと、監督の実写映画は寝なかったことのない私。今回も、寝てしまいました。だって薄暗い画面に延々続くモノロー…

『ツチヤ教授の哲学講義』

週刊誌でのおとぼけぶりは、前書きのみ。本文では実に真摯に「哲学するってどういうことか」をこれ以上噛み砕けないくらいにやわらかく、しかしガチンコ勝負で講義するツチヤ教授の真の姿に、冗談でもお世辞でもなんでもなく、心が洗われる思い。初歩的な質…

ゴールデン・ウィークは

旧名:猩紅熱たらいう病気にかかり、寝正月ならぬ、寝込みゴールデン・ウィークでした。とほほ。その前に見たり読んだりしたものなど。

JAZZ TODAY in Komaba 2006

昨日はいろんな不義理を自覚しつつも、定時でダッシュしてこのイベントへ。 19日(水)”piano potentials” 万波麻希 combo piano (guest vocal: 内田也哉子 追加決定!) 南博トリオ (南博 p, 水谷浩章 b, 芳垣安洋 ds) 今日も明日もあさっても、無料で開…

薔薇色のグラデーション

「都会犬(。v・)/」タカノ綾 ソロ エキシビション

パルコの上で、見てきた。最初、見かけた5年前よりぴりぴり感が増したみたいだなー、とウェブ画像を見て思っていたのだけど、実際はぴりぴりより、びりびりだった。作家がなにかを受けて震えている細い金属のピンかと思いきや、どんどん近づいてみたら弾力…

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団

開演30分前に行ったら、すでに当日券を求める人々の長い列! id:Tigerlilyことモモちゃんと偶然に遭遇して、「なんでドイツのダンスシアターは日本と相性がいいの?」「暗さ重さがありがたがられるんじゃ?」とかいう会話をしながら待つ。そして公演。すばら…

改革を読み誤った男・ユダ

聖書ではイエス処刑への道を開いた「裏切り者」として描かれる「イスカリオテのユダ」が、実は、イエス本人の命令に従い「救済」を完成させるために引き渡した「善行の人」だったと主張する内容で、議論を呼びそうだ。 http://www.asahi.com/international/u…

ネット限定恋愛革命 スパムメール大賞

この本、紙質が『R25』なみに悪いです。そして、字組が読みにくい…決して中身がおもしろくないわけではない(かといって編集の悪さをカバーしてありあまるほどブラボー級におもしろいわけでもない)ので、これはウェブ・コンテンツの書籍化における失敗のひ…

ドキュメンタリー映画『ビョーク』

そういえば、3/5にはアイスランド映画祭のサプライズ上映で、ビョークのドキュメンタリーを見て、それもとてもよかったのでした。仕事だけ、してたい。それ以外で、煩わされたくない。と、いう自分の気持ちが強くなりそうだけど、ビョークほどの繊細なひとだ…

拘束のドローイング9

『THE有頂天ホテル』『変態村』と、続けざまにチケット代を無駄にしているので、今年のわたしは映画運が悪いのか? と怯えましたが、そういえばひなまつりの日には『拘束のドローイング9』で、全身、官能で波立ったのでした。以下、感想。 音と映像が完全に…

変態村

☆マイナス5つくらいにしたい、心の底から、なんのためらいもなく、クソ映画、と言えるファッキンな映画。 脚本がクソ、演出がクソ、そして、キャスティングがクソ。そんなクソ映画に、あえて言うなら、タイトルは「変態村」ではなく「きちがい村」であろう。…

自分史上最凶にファッキンな映画

THE 有頂天ホテル

かつての監督の脚本、『3番テーブルの客』を、ブドウ糖果糖液糖と生理食塩水で水増しして、ビリー・ワイルダーとエルンスト・ルビッチのコメディ・フレーバーをふりかけたら、味の統制とれなくなっちゃいました、みたいなまとまりのない一本。有頂天なのは、…

「Howling in the Night2006〜押井守、《戦争》を語る」

雨だったので、防水爪皮つき下駄でお出かけ。今年も一泊二日のゼミ合宿のような濃度の押井守祭でした。そして、書く仕事を終えたばかりのせいなのか、ラ・ロシュフコーの箴言ばりの名言が次々と。以下、このイベントのお約束の口外禁止事項には触れないと思…